目的が同じであるはずなのに。
2012年9月11日
ある僧侶が、小坊主たちと蘭の植栽を楽しみました。翌春、山に植えた蘭が満開になり、
小坊主たちは嬉しくて笑みが絶えませんでした。
ところが、思わぬことにその夜に暴風雨に見舞われ、
あれほど咲き誇っていた蘭が泥の中にことごとく倒れ
てしまったのです。
翌朝早く、小坊主たちがこの無惨な光景を目にすると、
誰もが驚き、心痛の表情を浮かべました。
これを見た禅師が、不機嫌になるのではないかと思ったからです。
しかし、姿を現した禅師は、意外にも落ち着いていました。
「花を植えたのは楽しみや趣味のためであり、
不愉快な気持ちになるためではない」
この言葉を聞いた途端、小坊主たちはほっとし、
そして禅師の度量の大きさに改めて尊敬の念を深めました。
示唆に富んだ逸話であります。
同じ趣味を持っている人達が、スポーツや文化クラブを組織して
活動します。
最初は、趣味が同じであることから和気あいあいという雰囲気で
ありますが、年月が経過するごとにギクシャクしてきます。
要因は、組織内での役職員ポストや主導権争い。
それと、組織の中での力関係等が加わってきます。
私も、様々なクラブに所属していますが、
このような傾向が往々にして見受けられます。
まさに、中途半端なプライドの闘いであります。
また、昨今の政党内の争いも同じようなものです。
政党を創った「目的」「目標」が同じであるはずなのに・・・。
今一度、原点に立ち返ることが必要でないでしょうか。