WEB町長室

相手は自分の鏡かもしれない

2013年4月17日

札幌への出張は、基本的に八雲駅からJRを利用しますが、片道2時間以上かかるので時間を持て余してしまいます。

そのため、隣の席の方に話しかけることもありますが、結構、話が盛り上がって時間が短く感じることもあります。

若い人から、メールをいただいたこともありました。

しかし、話しかけると迷惑がるような人もおりますので、相席が感じのいい人であって欲しいと願ってJRを利用しておりました。

しかし、次の体験談から、迷惑がるように見えたことは、私の一方的な見方であったかもしれないと感じております。

私、この間こういう体験をしたんです。

渋谷から横浜に行く東横線で、目の前の座席に、五十代半ばぐらいの、上から下までブランド品で身を固めたご婦人が座ってたんです。

きれいな人なんですが、どこかしら、なんとも言えない陰気な雰囲気が漂っているんですね。

私はどうしてこういう人と向かい合わせに座ることになっちゃったんだろうと思いながら、頭の中で、この人はきっと家で喧嘩してきたに違いないとか、そんなことを考え始めたんです。

そこで気分を変えようと本を読み始めて、しばらく後で目を上げると、その同じ人が、さっきとは全然違う感じで、和やかにニコニコしながら本当にいい雰囲気をあふれさせているんです。

え? これが同じ人かと思って。
そうしたらその人の視線がずーっと遠くにいってるんです。

何がこの人をこんなに変えたんだろうと思って、視線をずっと追っていったら、赤ちゃんがその人に手を振っていたんです。

私はそれを見たときに、ああ、これからの世の中はいろんな変化が起こるけれども、大事なのは、一人ひとりが、人に接したときに、あるいはいろんな出来事のなかで、その人の人間の深いところにある優しさ、人間らしさ、そういうものを引き出すような生き方をすることではないかと、しみじみ感じたんですね。

私は目の前に座っていて、いやな人と目を合わせないようにしていたから、私からもいやなものが伝わっていったと思うんです。

でも赤ちゃんは本当に無心にその人にある人間的な優しさを引き出したんです。