WEB町長室

自分の家族だとしたら。

2014年1月8日

昨年9月の台風18号による豪雨で、滋賀県や大阪では、何十万人の避難勧告や避難指示が出されるなど、過去に経験したことのないような被害となりました。

テレビでは、京都嵐山の渡月橋冠水と、道路を流れる濁流の中を逃げ惑う人たちの映像が流れておりましたが、偶然、先月のテレビで、消防職員がその逃げ惑う人たちを救助した場面を再現しておりました。

その再現ビデオによりますと、家族を助けに行った消防隊員が家族を誘導したまではよかったんですが、水の流れが強すぎて濁流の中を一歩も前に進むことができなくなってしまいます。

あわや、救助に行った消防職員たちさえも危険という場面になります。

ところがその時に、ラグビー経験のある一番若い隊員はおじいさんを背負います。

そうすると他の隊員は、まるでラグビーのスクラムを組むように、おじいさんを背負った若い隊員を後ろで支えながら命がけの前進をします。

しかし、水流が速いために、3人で支えても一歩で5センチ位より前進することができません。
それに、上流から流木が流れてくると危険度はなおさら高まります。

それでも、ようやく救助することができました。
まさに、命懸けの救助活動だったわけでありますが、再現映像とわかっていても、見る側に緊張感が伝わってきました。

おじいさんを背負った28才の若い隊員は、
「なぜ自分も死ぬかも知れないときに、そこまでするのか?」
というテレビのインタビューに、
「自分は隊長から、救助する人たちは自分の家族だと思えと、常日頃より教育されているから」と答えていました。

私は、若い隊員の答えに共感しました。

なぜかといいますと、山菜採りでの行方不明者が出たときは、私も同じような思いで捜索にあたっています。
そしてそれは、行政全般に当てはまることことだからであります。