平成30年度以降町政執行方針


 


上ノ国町長 工 藤  昇

 

平成30年度以降町政執行方針

私は、去る5月22日に告示されました、上ノ国町長選挙において、5度目の立候補させていただきましたところ、町民皆様から身に余る特段のご支持を賜り、悠久の歴史と伝統に輝く上ノ国町の町長に就任させていただき、引き続き町政を担わせていただくことになりました。

 5期目の町政執行にあたりましては、この町民皆様から賜りましたご支持を、私に対する強い叱咤激励と真摯に受けとめ、今後における町政推進の基本的な理念を「町づくりは人づくり」として掲げるとともに、「輝くまちわたしたちの上ノ国」という将来像を目指して、激動する社会の荒波に柔軟かつ迅速に対応可能な産業基盤の確かな町を目標に、全身全霊をもって取り組んで参る決意であります。

 さて、私は平成14年に、町民皆様の特段のご意志によりまして、町政を担わせていただくことになりましてから今日まで、私の持てる全力をあげて町政推進に取り組んで参りました。

 就任時はバブル経済がはじけ、国および北海道、そして本町を含めた行政の膨大な借金体質、さらには地方分権推進に起因する市町村合併問題など、次から次へと困難な問題が吹き出るという状況にありました。

 本町は100億円を超える膨大な借金を抱え、町の台所は民間企業であれば破産あるいは倒産と変わらぬ状況でありました。

 こうした国全体を通じた厳しい状況の中で、私は町長就任以来、一貫して私自身の基本姿勢として、私達町民一人ひとりが現状を自覚し、そして一人ひとりがこの町を変えるという意思を表してくれるということを確信して、町政を執行して参りました。

 上ノ国町の基本的な課題は、何よりもまず、厳しい行財政運営を余儀なくされている現状をどう乗り越え、閉塞状況に陥っている町の社会経済にどう突破口を見いだすか、そして予測されない様々な変化に柔軟な対応が可能となる足腰の強い町をどう創り上げるかということでありました。

 このため、緊急の重要課題として中期的な展望に立った行政施策の樹立推進が必要と判断し、平成17年度を初年度とする5年間の行財政改革(自立プラン)を策定して、逼迫する財政の現状や目指すまちづくりのための施策について、町民皆様に公表するとともに、皆様が共通の認識に立っていただくよう訴えお願いをし、改革を断行して参りました。

 結果、町民皆様の特段のご理解とご協力を頂きまして、行政の改革・財政の改革は着実に推進され、財政状況の良い自治体と位置づけられるようになりました。

 私は本町を支えてくれる子育て世代を支援するため、まず18歳までの医療費無料化と、保育料の無料化、小・中学校の給食費無料化などの施策を実行しました。

 さらに、若者が子育てしながら生活できる状況をつくるため、産業基盤の強化を念頭に置き、農林漁業・商工業振興の施策を展開して参りましたが、残念ながら投資した効果が、十分に出ていない現況下にあります。

 そのような中、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく、「上ノ国町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、第五次上ノ国町総合計画の後期計画として位置づけ、産業基盤の強化を推進しています。

 今後においても若者が子育てしながら生活できる産業基盤を念頭に置き、農林漁業・商工業振興の施策を大胆に展開していくとともに、上ノ国町総合計画の基本理念「安全・安心」、「自立・自律」、「参画・協働」を、町づくり・行政推進の基軸とした町政執行にあたります。

 ①創意工夫で地域の活力を起こす産業交流のまち

①農業振興への取り組み

 本町の特性を活かした作物の産地化と、付加価値の高い農産品作りに取り組むとともに、農地の流動化と集団化など効率的な利用を図り、担い手の確保と育成、生産基盤の整備などを推進し、持続可能な農業を目指します。

 このため、新規農業者を含めた農業従事者の育成および確保、土づくり推進、ほ場改良、サヤエンドウ連作障害対策など、具体的な施策を展開します。

 さらに、平成27年度より実施している「農業機械等導入支援事業」を継続実施し、生産性の向上の促進を図ります。

 また、アスパラ、サヤエンドウ、ニラなど、特別振興作物の安定生産と収量増を図るため、施設野菜栽培用ハウス整備に対して大胆に助成します。

②林業振興への取り組み

 計画的な森林整備の推進および保全に努めるとともに、町有林の整備、民有林整備支援など、充実・拡充した施策を展開し計画的な森林施業を促進します。

③水産業振興への取り組み

 活力ある水産業の確立に向けて、効果的な増養殖漁業の実証、導入による水産資源の確保や活用、担い手の育成・確保対策、漁業基盤の整備、冷却水槽など畜養施設を有効利用し、水産物の流通を有利に展開したブランド化を推進します。

 沿岸漁業特別対策事業では、これまで推進してきた、漁業後継者育成対策、漁場調査、ナマコ・サケ・ニシン・エゾバカ貝の放流に支援するとともに、新規漁業者就労対策も実施し、前浜資源の増大と漁家経営の安定化を図ります。

 また、日本海漁業振興緊急対策事業として、ホタテ、アワビ、アサリなどの養殖事業を推進します。

④商工業の振興と雇用・労働対策への取り組み

 商工会と連携した魅力ある商業環境づくりを進め、地域経済の活性化と雇用の場の確保に向け、既存企業の体質改善と労働対策として、移住・定住・就労促進に向けた取り組みを実施し、若年者などの雇用に対する支援をします。

 具体的には、卒業から3年を経過しない者を雇用した場合に、雇用した企業に助成を行い、若年者の雇用を促すとともに、人材の確保を図ります。また、地域振興事業の推進、新たな商品開発や販路拡大に取り組む商工業者へ支援をします。

⑤観光振興への取り組み

 北海道新幹線を活かした積極的なPR活動を推進し、多様化する観光ニーズに即した多面的な取り組みを進め、観光・交流機能の拡充に努めます。このため、道の駅「上ノ国もんじゅ」の地域商社化に併せ、日本海情報交流館「文珠」を大規模改修し、特産品販売所のスペースを1・7倍に広げ、スイーツ工房を整備しました。さらに、別棟で水産物等加工施設と快適なトイレを建設しました。

 このことから、道の駅「上ノ国もんじゅ」を核とした、観光振興と、特産品開発・販路の拡大を図ります。また、交流人口の拡大の取り組みを進めるとともに、町内特産品と観光PRのため、広域観光体制の充実を図りながら、道内外のイベントに積極的に参加します。

⑥安全な再生エネルギーの活用への取り組み

 大型風力発電事業の誘致を積極的に図ります。

だれもが安心して生涯健やかに暮らせるまち

①健康づくりへの取り組み

 少子・高齢社会を迎えて、保健・医療・福祉体制の充実と、地域ぐるみでの要援護者などへの支援を行うとともに、町民にとって身近な対応が可能となる環境づくりを推進します。

 健康で元気に暮らせるよう、健診や保健事業の充実強化を図るとともに、地域・行政・医療機関が連携した指導・相談体制を整え、町民が主体となる健康づくりを推進します。

 具体的には、各種予防接種、脳ドック検診への助成、特定健康診査とがん検診の充実、ピロリ菌検査除菌治療、および小児慢性特定疾患患者の通院交通費の助成を行います。

②地域医療への取り組み

 医療ニーズの高度化、多様化に対応し、安心な医療が受けられるよう、二次医療機関と連携した医療体制をつくり、町立診療所の医療施設整備および救急医療体制を充実強化します。

 あわせて、本町において医師、看護師として従事しようとする者に、修学資金の貸し付けを行い、医療従事者の育成と充足を推進します。

③子育て支援の充実

 保育サービスの充実をはじめ、安心して子どもを産み育てられる環境をつくり、子育てに関する学習や交流を通じて家庭の育児能力を高めるよう努めます。

 具体的には、「子育て支援対策基金」を有効活用し、保育料の無料化を始めとした子育て支援を継続実施します。

 あわせて、高校生までの医療費無料の乳幼児等医療費支給事業、母子保健活動事業、妊婦健康検査および特定不妊治療費助成事業等を引き続き実施し、子育て支援の充実を図ります。

 また、多様化してきている保育形態・発達障害療育体制・留守家庭児童の育成などを充実するため、子ども支援センターを整備します。

④高齢者福祉と障害者福祉の充実への取り組み

 高齢者が住み慣れた地域でいきいきと暮らせるよう、社会参加や在宅生活への支援を行い、障害者が地域社会の一員として自立した生活ができるよう、相談支援事業所への支援を行い自立支援サービスの定着や充実を図り、地域で関わり合える社会環境づくりを推進します。

 また、檜山南部四町の広域事業所である子ども発達支援センターを充実させるとともに、啓発活動などを広域的に実施します。

⑤地域福祉の充実への取り組み

 住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりに向けて、社会福祉協議会を中心とした、ボランティア団体などとの連携を密にし、地域も交えた福祉の向上に努めます。

 さらに、ボランティア意識普及のため、社会福祉協議会・民生委員などの活動を支援します。

自然と共生し美しくゆとりある安全安心のまち

①防災対策への取り組み

 自然が満ちあふれ、その自然や緑を背景とした美しい街並みを整備するとともに、持続可能な循環型社会を構築し、人と自然が将来にわたって共生するまちを目指します。また、自然災害から住民を守る安全確保に向け、防災施設の整備など地域防災の体制強化、海岸・河川の保全、治山事業の推進に努めます。

 さらに、豊かな自然を財産とし、安心・安全に暮らせる総合的な防災対策を進めるため、災害時要援護者対策の充実、地域防災計画と洪水・津波に対するハザードマップを活用した啓発、避難路の整備などソフト・ハード両面から防災対策を推進します。

②安心安全な環境づくりへの取り組み

 交通事故死ゼロ・連続3500日を6月3日達成し、4000日を目指しているところです。

 さらに、安心・安全な環境づくり推進のため、地域における安全意識の高揚と、犯罪や事故のない防犯体制の充実を図り、住民の暮らしのニーズに対応した環境づくりを推進します。

 また、常備消防による救急体制を充実するとともに、消防団の活性化、火災予防・初期消火・救急救命の知識の普及啓発を進めます。

③環境保全の推進への取り組み

 ごみの分別、リサイクル活動、生活排水処理対策を推進し、自然環境と調和した持続可能な循環型社会の形成に取り組み、町民が生涯にわたって快適に暮らせる生活環境づくりを進めます。

 このため、ごみ収集・処理体制の充実、ごみ減量化・循環型社会形成への活動の促進、ごみの不法投棄防止、生活排水施設整備を実施し環境保全を推進します。

④生活環境の整備にむけた取り組み

 水道事業運営基盤強化のため、上水道事業を簡易水道事業に統合しておりますので、安心・安全な水づくりのため簡易水道事業を運営します。

 町民の居住環境の向上と地域経済活性化対策の一環として、住宅リフォームに要した費用の支援を引き続き行います。さらに、公営住宅の整備、公園・緑地の整備・管理に努めて参ります。

 また、町内全域の空き家などの実態調査を行いましたので、空き家の利活用と危険空き家対策につなげます。

⑤道路・交通・通信基盤の充実への取り組み

 上ノ国町・江差町・木古内町の三町協議会でバス運行をしていることから、道道江差木古内線の早期整備促進を要望します。

 また、道道江差木古内線が災害などで通行止めになったとき木古内町へ迂する道路がなくなるため、高規格幹線道路函館・江差自動車道の早期建設を要望します。

 さらに、国道228号と道道、および町道が複雑に交差している大留交差点を、信号の無い交差点・ラウンドアバウトに改良します。あわせて、町道と橋梁の整備を引き続き重点課題と位置づけ、安全で快適な道づくりの推進と情報通信基盤を整備します。


 

自ら学び地域と共に人を育む教育文化のまち

教育においては、ふるさとに誇りと愛着を持ち、自らの知恵と行動力で様々な困難に立ち向かい、未来を切り開く力と強い使命感を育み「町づくりは人づくり」の理念の体言化と教育環境づくりに努めます。

①社会教育・生涯学習への取り組み

 子どもから高齢者まで、生涯を通して主体的に学ぶ環境を充実し、自らを高め、豊かな人生を送れるよう、学校教育と連携を図りながら進めます。

②学校教育向上への取り組み

 基礎的・基本的な学力の向上や豊かな心の育成を始め、国際化・情報化など時代の変化に対応した教育内容の充実を図り、特色ある教育・学校づくりを進めます。

 子育て支援対策と学校教育推進のため、小・中学校の給食費を全額助成します。また、上ノ国高校存続のため、引き続き各種支援策を講じます。

④次世代を担う人材育成への取り組み

 まちの未来を担う子どもたちに対して、地域の特色ある体験活動やハイレベルなスポーツ見学・研修などからスポーツ振興を図り、心豊かな総合的なバランス感覚に富んだ人材の育成に努めます。

 スポーツの拠点となる、上ノ国町スポーツセンターが完成しますので、7月1日に元オリンピック選手による上ノ国町スポーツセンター落成記念バレーボール教室を開催し、その後、VプレミアリーグのNECレッドロケッツと上尾メディックスによる落成記念バレーボール招待試合を行います。

 今後、スポーツセンターでの各種大会誘致と、すべての町民がそれぞれの体力や年齢に応じたスポーツ活動を行える拠点であるスポーツセンターを利用した事業を推進します。

 文化活動につきましては、住民主体の芸術・文化活動を支援します。

⑤地域文化の保存・伝承・活用の取り組み

 本町は、北海道でも類をみない歴史・文化遺産を有しています。その文化財施設などの整備・保存管理はもとより、貴重な歴史遺産としてまた、観光資源として活用される重要文化財や歴史文化遺産の保存と活用と地域づくりを目的とした「歴史文化基本構想」により整備し、普及啓発を行います。

語らいとふれあいが実感できる参画協働のまち

①住民参画のまちづくり

 住民と行政の信頼関係を築いた上で、住民・男女共同参画により「協働のまちづくり」を進め、地域社会における課題解決や住民生活に密着した効果的な事業を展開し、住民の満足度を高めるまちづくりを目指します。

 このため、広報・広聴活動を充実させ、情報公開を推進し、ボランティア団体などへ支援します。

②コミュニティ活動の推進への取り組み

 町内会が取り組む美化活動や住民意識の高揚に資する、町内会活性化事業の実施に交付金を交付し、町内会活動を活性化を図ります。

③広域行政の推進

 住民の生活圏の広域化に対応するため、その役割を十分に踏まえた中で、周辺自治体と連携協力し、人と経済・文化の交流による地域活性化を図ります。

④効率・効果的な行財政運営

 財政の健全化、行政サービスの質的向上、職員の資質向上を図ることにより、住民に信頼される自立可能・持続可能な行財政の確立を目指します。


 

以上、平成30年度以降、5期目の町政執行に臨む私の基本的方針を述べさせていただきました。

 日本の人口が減少に転じてから10年以上が経過しておりますが、上ノ国町の少子高齢化と過疎化は危機的な状況下にあります。

 私たちは、この現実をしっかりと受け止め、子や孫に夢ある未来を創り上げるために立ち上がることが求められておりますので、全町民の英知を結集した未来づくり、町づくりに向かってまい進する所存であります。

 引き続き、町民全ての皆様、上ノ国町議会議員皆様に温かいご協力と力強いご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。

問い合わせ先

総務課庶務防災グループ
電話:0139-55-2311 ( 内線 207 )