令和4年度以降町政執行方針
上ノ国町長 工 藤 昇
令和4年度以降町政執行方針
私は、去る5月17日に告示されました、上ノ国町長選挙において、6度目の立候補をさせていただきましたところ、町民皆様から身に余る特段のご支持を賜り、悠久の歴史と伝統に輝く上ノ国町の町長として引き続き町政を担わせていただくことになりました。
6期目の町政執行に当たりましては、町民皆様から賜りましたご支持に応えられるよう、第6次上ノ国町総合計画で示した基本理念、「安心・安全」「学び・自律」「参画・協働」を掲げるとともに、「みんなで創る、誇れるふるさと上ノ国」という将来像を目指して、全身全霊をもって取り組んで参る決意でございます。
これまでの5期20年間を顧みますと、就任当時は厳しい財政状況でありました。
この現状を変えるため、平成17年度を初年度とする5年間の行財政改革(自立プラン)を策定し
厳しい財政状況や、目指すまちづくりの形について、町民皆様に共通の認識を持っていただくようお願いし、改革を断行した結果、財政の健全化を成し遂げました。
その後、産業振興のため、農業者、漁業者および商工業者への手厚い補助制度や、付加価値向上のための施設整備などを実施し、地域産業の継続性にまい進してきました。
また、本町を支える子育て世代を支援するため、他市町村に先駆けて18歳までの医療費無料化を実施したほか、保育料の無償化および、小・中学校の給食費全額補助制度の施策を実行いたしました。
このほか、情報通信環境の整備として道内でも早いで段階で町内一円に光ファイバーを敷設し多くの方がより良い環境で運動できるようにスポーツセンターを新設、更には保護者が児童を安心して預けられるように「保育所、放課後児童クラブおよび子ども発達支援センター」を統合し
た、子ども支援センターを建設しました。
また、財源確保のために民間事業者が設置・運営する風力発電事業の推進に支援して参りました。
しかしながら、日本全国で人口減少は確実に進んでおり、本町においても10年後には3千人を下回るものと予想されます。
このような状況においても、持続可能なまちづくりを進めるためには、自主財源の確保が絶対的に必要となることから、洋上風力発電事業の誘致を推進し、町税の増収や地元経済への効果をもたらすことを政策の柱として取り組んで参ります。
それでは、第6次上ノ国町総合計画の基本目標に沿って、本年度の施策の方針について申し上げます。
①創意工夫で地域の活力を起こす産業交流のまち
①農業振興への取り組み
これまでと同様に、付加価値の高い農産品を作るため、農業経営維持強化支援事業による農業者への支援と、特別振興作物などの安定生産と収量増を図るため、施設野菜栽培用ハウス整備に対し助成します。
また、持続可能な農業を目指し、土づくりの推進、ほ場改良、サヤエンドウの連作障害対策などのほか、道営天の川地区農地整備事業などの施策を実施します。
②林業振興への取り組み
林業および木材産業の持続的かつ健全な発展、木材利用の促進のため、森林環境譲与税を活用し、林業機械や、木材加工設備等の購入費用を助成します。
また、町有林の整備や民有林整備支援等の施策を展開し計画的な森林施業を促進するとともに
林道茂平内線の改良整備を継続して実施します。
③水産業振興への取り組み
活力ある水産業の確立と漁業者の経済力向上のため、ナマコ種苗の放流後の追跡調査や、エゾバカ貝の資源調査、ウニ深浅移植放流などを実施するほか、若手漁業者が海洋牧場で行っているアワビなどの養殖事業を支援します。
また、未利用資源の活用や漁網・漁具等への支援を検討します。
④商工業の振興への取り組み
商工会の体制強化を支援し、商工業者等の協力体制の強化を図り、地域特性に応じた商業機能の充実に取り組みます。
また、町有施設の有効利用により企業等の誘致につなげ、新産業の創出に向けた環境づくりを進めます。
⑤観光振興への取り組み
道の駅「もんじゅ」を核に観光振興公社等と協力し、特産品の販路拡大やイベントの開催により、地域活性化を目指します。
また、サテライトオフィス付きワイナリーを中心に都市部からの交流人口拡大を図ります。
⑥雇用・労働・移住対策への取り組み
就労の機会増加のため職業訓練の充実や情報提供を行います。また、地域住民の雇用環境の充実のため、企業が若年者を雇用する取り組みを支援します。
⑦新エネルギーの導入促進への取り組み
風力発電事業に適した本町の環境を活かし、今後も民間事業者の風力発電事業の拡大に協力します。また、国が推進している洋上風力発電事業において、檜山沖が指定区域となるよう関係団体と協力し積極的に取り組みます。
②だれもが生涯健やかに自分らしく暮らせるまち
①健康づくりへの取り組み
町民が健康で元気に暮らすことができるよう、特定健康診査やがん検診、脳ドック検診の充実を図り、少子化対策の一つとして、不妊治療を受ける方へ経済的負担を軽減するための支援を行います。
また、感染症の予防や健康管理の向上のため、これまでの定期接種、任意接種のほか、高齢者を対象とした帯状疱疹ワクチンの接種に取り組みます。
②地域医療の充実
本町の医療体制の充実を図るため、人材確保の支援、施設や医療機器の整備に努めます。
また、救急患者の救命のため、関係機関と連携・協力し、救急医療体制の充実を図ります。
さらに、重篤な疾病者を早期治療につなげるためのドクターヘリ運航に道南市町村と連携して取り組みます。
③子育て支援の充実
保育サービスの充実など子どもを育む環境づくりに取り組むため、「子育て支援対策基金」を有効活用し、保育料の無償化や高校生までの医療費無料化を継続します。
また、子どもが産まれた世帯が安心して子どもを育てられるよう、「出生祝金交付制度」を新設します。
④高齢者福祉の充実
高齢者が要介護状態にならず、人とのつながりを通じて社会参加し、生きがいのある人生を送ることができるよう、介護予防の推進に努めます。
また、要介護状態となっても、介護サービスや必要な支援を受け、生きがいや役割を持って生活できるよう、支援の推進に努めます。
⑤障がい者福祉への取り組み
障がいのある人が、個々のニーズに応じた障がい福祉サービスを自ら選び、自立した地域生活を送れるよう地域活動支援センターを開設し支援します。
また、発達の遅れなどが認められる子どもに対し、きめ細やかな相談支援を行い、切れ目なく療育等が受けられるよう子ども発達支援センターの充実を図ります。
さらに、ボランティア意識普及のため社会福祉協議会・民生委員などの活動を支援します。
⑥地域福祉の充実
社会福祉協議会などが行うボランティア活動の支援や見守り支援の整備および災害時要配慮者対策に努めます。
また、介護老人福祉施設入所者の福祉向上のため、施設の大規模改修を支援します。
さらに、判断能力が不十分な方の保護、支援を図るため成年後見制度等を周知および支援の充実に努めます。
③自然と共生しみんなで創るゆとりある安全安心のまち
①防災対策への取り組み
自然災害による被害の防止・縮小を図るため、河川内の土砂の除去を計画的に行うほか、地域防災計画の見直しを行い、防災・減災対策事業を促進します。
また、災害時などに町民へ迅速な情報伝達を行うため、防災行政無線施設を活用するほか、災害発生時の物流機能の停止を想定し、公的備蓄を継続して行い、家庭内備蓄や自主防災組織等による地域内備蓄の取り組みを推進します。
地域の防災力の向上のため、自主防災組織の育成・支援に努め、防災訓練やハザードマップなどによる啓発・情報提供を行うことで、「自分の命は自分で守る」という自助意識の定着化につなげ、町民の防災・減災意識の高揚を図ります。
こうした防災・減災に関する取り組みを実施するために、専門職員の採用を検討します。
②安心・安全な環境づくりへの取り組み
常備消防・救急体制の充実を図るため、老朽化した上ノ国消防署の改築に取り組み、消防設備等の計画的な整備を推進するとともに、消防団の重要性に関する啓発や団員補充対策の強化や研修により、消防団活性化対策を進めます。
また、関係機関と連携し、交通安全運動を展開し、町民の交通安全意識の高揚を図ります。
③環境保全への取り組み
公共施設の節電などにより、二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化対策を推進します。また、町内のリサイクル活動を促進し、ゴミの減量化を進めます。
さらには、広報誌などの啓発活動のほか、警察や町内会等と連携して不法投棄の監視体制の強化を図ります。
④生活環境の整備にむけた取り組み
町民が安心できる居住環境の整備に向け、老朽化した中崎団地住宅の建て替えを検討し、公共下水道施設の更新や、老朽化した水道施設の改善を図り、施設維持管理の効率化や経費の節減などで水道事業の健全運営に努めます。
また、地域経済の活性化を図るため、住宅リフォーム補助金交付事業を継続するとともに、適切に管理されず町民の生活環境に危険をもたらす空き家除去の取り組みを進めます。
さらには、老朽化したコミュニティ施設を計画的に整備します。
⑤道路・交通・通信基盤の充実
広域的な交通アクセスの向上に向け、高規格幹線道路函館・江差自動車道の早期整備を関係機関と連携し要請します。
また、安全で快適な道づくりを推進するため、国道や道道の管理者に危険箇所の改善などを要望するとともに、町道を計画的に整備します。
さらに、公共交通機関の維持確保や利用者の利便性を高める取り組みを進めます。
⑥コミュニティ活動への取り組み
広報・広聴活動の充実のため、広報誌やホームページを活用し、情報の共有に努めます。
また、町内会が取り組む美化活動や住民意識の高揚のため、町内会活性化事業に対し交付金を交付し、町内会活動を支援します。
④自ら学び地域とともに人を育む教育文化のまち
社会教育活動の拠点となる総合福祉センターなどの施設の充実とともに、利用者ニーズに応じた運用を検討するなど、施設の有効活用を図ります。
また、生涯学習活動への支援、各種社会教育団体の育成・支援に努め学習活動を促進します。
②学校教育への取り組み
学力の向上と個性や創造性を伸ばすことを基本に、国際化や情報化など時代の変化に対応した教育内容の充実を図ります。
また、関係機関と連携し、各学校の施設整備や教員配置、支援員の配置を検討するなど、特別支援教育の充実を図るとともに、適切な就学相談・指導に努めます。
③次世代を担う人材育成への取り組み
「教育は、まちづくりの原点である」ということを再認識し、まちの未来を担う子どもたちに対して、関係機関相互の連携を強化し、地域の特色に富んだ学習活動の振興を図り、心豊かな子どもたちを育み、ふるさとに愛着を持つ人材育成に努めます。
④スポーツ・文化活動の取り組み
体育施設を利用した各種教室や講演会を実施し、スポーツ活動の普及を図り、体育団体の育成を推進するほか、文化協会を始めとした各種芸能・文化団体の育成・支援に努めるとともに住民の自主的な芸術・文化活動の一層の活発化に努めます。
⑤歴史文化の保存・継承・活用の取り組み
豊かな自然と人々の活動から生まれた歴史文化や北海道内でも希少な価値を有する指定文化財の保存・継承・活用を推進します。
以上、令和4年度以降の町政執行に臨む私の基本的方針を述べさせていただきました。
私は6期目の立候補に当たり、キャッチフレーズを「パワーあるまちづくりで、町民に幸せを!」と唱えました。
これは、住民の力、地域の力、行政の力を結集し、豊かで活力あるまちづくりを推進するため
洋上風力などの再生可能エネルギーの実現を政策の柱として、上ノ国町にパワー(財政力など)を蓄え、住みよいまちづくりを目指す考えでございます。
引き続き、温かいご協力と力強いご支援を賜りますよう、改めて上ノ国町議会議員皆様、町民の皆様に心よりお願い申し上げます。
電話:0139-55-2311 ( 内線 206・208・209・214 )