WEB町長室

カモメが教えてくれるもの

2005年9月9日

普通、カモメは海にいるものでありますが、近頃、山でも飛び交っております。
時々、町長室の裏庭にも飛んでくることがあり、よくよく観察してみると草むらにいる虫を食べているようであります。
先日、このことを漁師に話したら「昔はそんなことはなかった。きっと、磯焼け現象で海に小魚など食べるものがなくなったことが原因だろう」と話しておりました。
私が小学生の頃、イワシの地引き網漁が盛んでありました。
イワシの群生している上には、イワシを食べるためにたくさんのカモメが円を描いて飛び交い、それをこの地区では「たかり」と呼んでおりました。
突如として海上に「たかり」が現れますが、一斉にその場所に網を入れると必ず大漁したものであります。
また海が荒れる際、前兆としてたくさんのカモメが大空高く飛び交います。
上ノ国の言い伝えに
「ゴメ(カモメ)の高飛び、雇いの高枕」とあります。
訳は、“今日、カモメが空高く飛んでいるので海が荒れるんだろう。ニシン場に雇われてきた人も、明日は枕を高くしてゆっくり寝ていることができる”というものであります。
カモメを通して自然を感じることも、漁村の一コマかもしれません。