WEB町長室

マニュアルを破った「型破り」

2014年1月20日

東京オリンピック招致のプレゼンテーションで、滝川クリステルさんが「おもてなし」のスピーチを行い好評を博しました。

「おもてなし」といいますと、ホテルや旅館等の接客を思い浮かべますが、どこのホテルにも接客の基礎としてのマニュアルがあり、そのマニュアルで接客の型を作るそうです。

ところが、真の感動する「おもてなし」をするにはその型だけでは不足であり、そのマニュアルを超えた「型破り」が必要だそうです。

しかし、その型を破るには、そのマニュアルを完全に身に付けなければなりません。
マニュアルを身に付けないで型を破ると、単なる「型なし」になるといいます。

ここで、その型を破ったあるホテルでの感動する「おもてなし」をご紹介します。

夏の暑い日、東北のあるホテルのラウンジに家族のお客さんが入ってきました。

おじいさんと娘さんご夫婦、お孫さんの4人です。
おじいさんは冷たい麦茶を、娘さん夫婦はアイスコーヒー、お孫さんはアイスクリームをウエイトレスにオーダーしました。

ところが、待っている間にお孫さんが、おじいさんの異変に気づきました。
おじいさんは外出して疲れて油断してしまったのか、漏らしてしまったんです。
そのことに気づいたお孫さんはどうしたらいいのか分からず、落ち着きをなくしてしまっています。

幸いなことに、周りのお客様はまだ誰もそのことに気づいた様子はありません。

ウエイトレスは、オーダーされたものを運んでいる時にお孫さんの様子を見ておじいさんの異変に気づきました。

おしてテーブルの前に着くと、娘さん夫婦にはアイスコーヒーを、お孫さんの前にはアイスクリームを置き、最後におじいさんの麦茶を持つと、手を滑らせたふりをして、おじいさんのズボンに麦茶をこぼしたのです。

そしてすぐに、周りのお客様に聞こえるような大きな声で「申し訳ありません!大浴場に着替える場所がありますので一緒においでくださいますか?お召しになるものを何か探します」と言っておじいさんを連れて行ってしまいました。

マニュアルどおりだと、お客さんに麦茶をこぼすなんてとんでもないことです。

しかし、あえてそのマニュアルを破って接客した、ウエイトレスの勇気とプロ意識に感動いたしました。