WEB町長室
真の小善とは?
2007年8月9日
IBM社の社訓に「社員を大切にする」とありますが、これは次の由来に起因するそうです。ある北国の湖畔に一人のやさしい老人が住んでいました。
毎年、その湖に雁が群れをなして飛んできて越冬するのですが、老人はいつでも湖の雁に餌を与え、雁たちも水辺に集まってきてうれしそうに食べるそうです。
毎年老人は雁に餌を与え続け、雁も老人が与えてくれるものに頼って越冬することが習慣になってしまいました。
ある年、雁の群れがまた湖に飛んできていつもどおり食べ物をもらうために水辺に集まったのですが、老人は来ませんでした。
それでも雁たちは毎日水辺に来ていつまでも待ったのですが、老人はとうとう現れませんでした。
老人はすでに死んでいたのです。
その年はちょうど寒流の襲来にあたり、湖水はみな凍ってしまいました。
老人に依存するだけで、自分で食べ物を探すことを忘れた雁の群れはすぐに死に絶えたのでした。
本来、雁は厳しい自然界で生きている動物でありますから、たとえ湖面が凍結したとしても自分で食べ物を探して生き続けられます。
IBM社の言う「社員を大切にする」とは、厳しい条件下でも自力で生きていける雁を育てることだそうです。
国は転作推進のために、長年、農家に転作奨励金を交付してきました。
補助金を交付することにより農業者の健全経営を支援する目的もあったと思いますが、今となっては農業者のやる気を無くすだけとなってしまいました。
仏教の教義に「小善は大悪に似たり」とあります。
善いことをしたつもりが、結果的に反対になってしまうということであります。
こう考えますと、補助金も「小善」の要素が大いにあります。