WEB町長室
集団決議の危うさ
2007年6月29日
ある本に載っておりましたが、昔から日本は一人のリーダーで決めるような社会でなく、みんなで話し合って決める集団的な社会運営が特徴とされているそうです。したがって、個人の判断力よりも集団の場での判断力が求められておりますが、そこには相当な危険性があると言われております。
ある実験があります。
紙に線を三つ描いておいて、その内どの線がもう一枚に書かれた線と同じかを判断してもらう実験だそうです。
線の長さは目の錯覚を起こすこともあるが、よく見れば誰でも正解を答えられるようになっていて、一人ひとりに答えさせると95%以上が正解だそうです。
ところが、三人以上のサクラ(まわし者)を交ぜておいた集団での実験では、正解率が違ってくるそうです。
八人の被験者のうちサクラが七人の時、一人目、二人目が間違えてもその人は「バカな奴だ」と笑っている。
だが、その後も続けて間違うと明らかに不安にそうになり、自分の番(六番目)が来ると、35%もの人が間違えてしまうそうです。
これが、同調という現象だそうです。
そう言えば、私たちも道を迷ってしまったような場合、人の流れの多い方について行ってしまう傾向がないでしょうか。
とくに日本人は、みんなが「賛成」と言っている場で「反対」とは言いにくい雰囲気になるものであります。
このように、会議での判断は単なる雰囲気によって左右されてしまう恐れがあることを認識しておくことも必要かと思っております。