WEB町長室

神明地区の高齢者から教わったこと

2004年7月8日

上ノ国町内神明地区での、健康相談会を覗いてきました。
10人位のお年寄りが、保健師による血圧測定や健康相談の順番を机を囲んで待っていました。
内緒で会場に行ったため、待っていたお年寄りたちはびっくりしたようです。
世間話に花を咲かせていたようでありましたが、私も加わったため、話題は、合併問題、財政問題、年金問題へと移っていきました。
その内、昔の思い出話も出てきました。
現在、神明地区には一人の中学生よりいないが、最盛期は100人以上の小中学生がいた話。
83歳のおばあちゃんは、18歳の時に連絡船と「どんこう」といわれた普通列車に揺られて、1昼夜かけて就職のため東京の浅草に行った話。
家に蛇が出てくるので、通信販売で蛇よけの薬品をまいたが効き目がなかった話等々。
いろんな話題をみんなで楽しく話していたが、私の隣に座っていたおばあちゃんの反応がイマイチ。
あまり面白くないのかなあと思っていたら、相談の順番がそのおばあちゃんに回ってきました。
そのおばあちゃんが保健師の前に座ったら、保健師がいきなり大きな声で呼んだので、私がびっくり。
聞いたら、耳が遠いということ。(だから、反応がイマイチだったんだと納得)
相談は、健康相談ばかりでなく、持参した血圧計が動かなくなったことまで及んだが、原因は単純な電池切れということでありました。
全員の相談が終わった後は保健師も入ってのお茶懇が始まりましたが、皆さん生き生きとしており、健康相談の日を楽しみに待っているということでした。
また、格式張った地区懇談会と違いこのような場であれば楽しく話すことができる。
次回はイモの塩煮を食べさせるから、また来てくれとも言ってくれました。
神明は、役場から20kmの距離にあり、高齢化率60%と町内でも一番高齢化が進んでいる小さな地区ですが、自分たちでできることは自分たちで何でもやっています。
先週は、町の建物である「神明会館」横壁のペンキ塗りをしたそうです。
蛇が出ると役場に捕ってくれという地区もある中で、83歳のおばあちゃんは自分で蛇を退治していました。
神明地区の人たちと話した中で、財政が厳しいことからお金の尺度だけで行政を考えていたことを改めなければと思い知らされました。
そして、保健師がお年寄りから絶大な信頼を得ていることを再認識するとともに、お金をかけなくても職員一人一人が信頼という大きな財産を持つことにより、生き甲斐を持てる行政が推進できることも確信いたしました。
人間に喩えると、まさしく毛細血管まで血液が通っているということです。
今後、自立のための行財政計画を立てるわけでありますが、このような視点を重視した計画を立てなければと痛切に感じたところであります。

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