危機管理の難しさ
2012年1月24日
東日本大震災で、74名の死亡・行方不明者を出した宮城県石巻市立大牧小学校の保護者会議で、
教育長が「この度の震災は人災の面もあった」
と謝罪いたしました。
原因としては、
「災害対応マニュアルの不備」「職員の危機意識の欠如」、
そして「過去の地震で津波被害がなく安全と思いこんだ」
ということでありますが、
この3点が人災の原因だとすれば、
大方の町村が該当するように思われます。
とくに、海沿いの町村であっても、
津波を経験したことがなければ、
津波被害の実感が湧かないことは当然であります。
先日、マグニチュード(M)7級の首都直下地震が、
今後4年以内に約70%の確率で発生するという報道が
テレビで流れておりました。
70%というと相当高い数値であります。
しかし、住んでいる市民からはあまり緊迫感が感じられま
せんので、どんな立派なマニュアルを作ったとしても、
あまり活用されることはないでしょう。
危機管理で難しいのは、いかにその動機づけを行い、
それを維持していくかということであります。
備えがない中で何か事が起こった時は、
間違いなく「しまった」と後悔します。
ただし、
相当なお金や労力を投資して備えを万全にしたとしても、
結果として何も起こらなかった時は、
単なる無駄遣いであったと評価されるだけです。
危機管理は、難しいと感じた次第であります。