WEB町長室

鈍感力の必要性

2024年4月22日

 「今までは人のことだと思ふたに 俺が死ぬとはこいつはたまらん」
 登城の途中に転倒し、75歳で死去した幕府官僚であった太田南畝の辞世の句であります。

 職業柄、お通夜にいく回数は相当なものであり、参列するたびに人の生き死にを考えさせられます。

 人間、死ぬ確率は100%。

 ところが、このことは誰でもが知っていることですが、自分だけはすぐに亡くなることはないだろう。
 日本は、女性の平均寿命87歳、男性81歳と長寿国なので、よほど重病にさえならなければ、平均寿命まで長生きすることができるだろうと、誰もが漠然と考えているものです。

 そのため、どのような死に立ち会っても所詮他人事であります。
 言い方を変えると、ノー天気と言えるかも知れません。

 逆に、確率100%の死が頭から離れないとしたら、毎日、お通夜のような人生となるので、そのためにも鈍感力は必要であります。