WEB町長室

約束を守るということ

2012年3月29日

韓国のサムスン電気は、
今やソニー、パナソニック等日本の大手家電業界を
凌駕しています。

しかし、伸びるには伸びるわけがあります。

その一つの要因は、
社内の規範が徹底しているということです。

あるA支店長の逸話であります。

A支店長は、ドイツに出張の際、
初日は夜10時に日程を終え、
翌朝6時20分にホテルのロビーで待ち合わせると
いうスケジュールであった。

しかし、その晩はゆっくり眠れる状況でなかった。
なぜかというと、翌朝のミーティング資料作成が、
明け方4時となってしまった。

かろうじて睡眠をとり、目を覚ましてみると6時18分。

大急ぎで顔を洗い、適当に着替えて、
ロビーに到着したのが6時23分。

それでも、大した遅れでなかったことに安堵したそうである。

ところが、この出張に同行している上司から、
すぐさま質問が飛んできた。
「われわれは、何時に会う約束をしたのかね?」
「6時20分です」
「で、今何時だ?」
「6時23分です」

そこでA支店長は「遅れた理由」を説明した。

A支店長にすると、明け方4時までミーティングの準備を
していて起床が遅くなり、
それもたった3分の遅れであることから許してもらえると
思っていた。

しかし、許すどころか、
返ってきたのは冷たい叱咤だけであった。

「遅れてきたのをみると、基本がなってないようだな!」

それは単に「数分遅れた」という問題ではなく、
「約束を守ったか、守らなかったか」ということなのである。

6時20分に着いていれば「約束を守った」ことになるが、
6時23分に到着したのだから、
「約束を守らなかった」ことになる。

それは、6時21分でも、6時22分でも同じこと。

サムスン電気では、「3分しか遅れていません」というのは、
何の意味もない言い訳にしかならない。

なんと厳しいことであろうか。
しかし、考えてみると当たり前のことである。

ところが、この当たり前のことができるかどうかに、
社運がかかることになるわけであります。

サムスンの例でいえば、たった3分のことで。