WEB町長室

続けると本物になる

2022年7月8日

 久々のWEB町長室です。


 先日、東京での会合で「WEB町長室を楽しみにしていたが、なぜやめたんですか。」と言われたこともあり、これからは週2回をめどに復活することとしました。


 今週7月7日、上ノ国漁港においてニシンの稚魚を放流いたしました。


 江差の5月は江戸にもないというくらい、ここ道南はニシンで栄えたところでありますが、上ノ国村史によりますと、本町では大正2年をピークにまったく獲れなくなり、ニシンは幻の魚となってしまいました。


 それでも近年、日本海側の石狩方面で稚魚の放流を続けた結果、ニシンが獲れるようになってきたこともあり、檜山の前浜でも稚魚を放流してくれるよう北海道に要請したところ、平成21年より稚魚放流を始めることができました。


 最初、3万尾で始めた放流も、今や管内5町の事業として毎年100万尾放流しておりますが、放流を始めた当初「今更、放流しても成功なんてできるはずがないだろう。」という空気が大半でありました。


 ニシンは、放流から3~4年後に放流した地区に戻って産卵しますが、産卵が始まると付近の海面は乳白色となります。
 その状態を「群来(くき)」といい、群来が発生するとニシンが戻ってきたことが確認されます。


 そして、最初の群来が確認されたのは放流9年目でありましたが、今年は、管内の乙部町漁港内で100年ぶりの大きな「群来」が確認されました。


 「本物は続く。そして続けると、本物になる。」という名言があります。


 もしも、ニシンが再来するという夢をあきらめて放流を続けていなかったとしたら、ニシンは幻の魚で終わっていたことでしょう。