WEB町長室

滅びゆくトップ像

2022年8月9日

 私は若い頃、歴史はまったく不得意でありましたが、社会人となって歴史を勉強するうちに、歴史というのは単なる過去の話ではなく、未来を予測することだと知るようになりました。


 まさに、「歴史を学ぶ」ではなく「歴史に学ぶ」を自覚するようになりました。


 なかでも中国の「三国志演義」は、フィクションも含まれておりますが、たいへん面白くて示唆にも富んでおり、町長という職業柄、トップとしての資質を高める参考書になりました。


 三国志のあらすじは、西暦180年頃、漢の時代が終わり、群雄割拠の中にあって「魏」「呉」「蜀」が最後に残る歴史物語でありますが、大小様々な国のなかにあって、滅んでいく国と勝ち残る国の違いは、トップの器量にあると痛感しました。


 私なりに解釈すると、滅んでいくトップには、次の三つの特色が見受けられます。


 一つ目として、国の方向性を示していない。
 滅んでいくトップは、国の方向性を示さないことにより国民が一つになることができなく、自ずと国の力が衰退していく。


 二つ目として、決断できない。
 滅んでいくトップは、せっかくのチャンスがあっても決断できないために、そのチャンスを活かすことができない。
 戦国時代、チャンスを活かすことができないということは、自ずと敗退につながります。


 三つ目として、部下を信頼していない。
 実際に戦うのは部下でありますが、トップに信頼されていないことを感じている部下は、トップのために命を懸けてまで戦おうと思わないものである。
 当然ながら、勝ちを得ることは無理である。


 私にとって、滅んでいく国のトップ像は反面教師であります。