理性と習性
2022年8月19日
阪神淡路大震災の際、窮地に陥った人が見せた顔は三つあったそうです。一つ目は、自分のことだけをした人の顔。
隣の人が生き埋めになって「助けてくれ」と言っているのに、自分の家の預金通帳や権利書を持ってさっさと去っていった人。
二つ目は、何をやっていいか分からず、ただ呆然と立ち尽くし、周囲が燃えていく様を眺めている人の顔。
三つ目は、自分の肉親を亡くしても、一所懸命、人のために尽くした人の顔。
このように、震災など、地獄のような惨状に遭遇すると、人間の醜さと美しさの両方を垣間見ることになると言います。
人間は、本来、理性を持っていることから平時は理性で行動しますが、とっさの時は、理性でなく習性で行動するといいます。
怖いことですが、普段、どんな立派なことを言っていても、窮地に陥った際にはその習性が現れてしまうといいますので、常日頃より理性と習性を近づける努力が必要だと痛感しております。