WEB町長室

事故から得た三つの教訓

2024年1月12日

 2024年もいよいよスタートしました。
 その矢先、よもや元日に能登半島地震が起きるとは、誰もが予想していなかった出来事であります。
 そして翌日は日航機事故と続き、お正月気分もすっかり失せてしまいました。
 お正月休み中、毎日、ニュースばかりを見ておりましたが、年初にこのような大惨事が起きる年は、これからどんな年になるんだろうと思うと少し気が重くなります。

 それでも救いはありました。

 大惨事でありながら、乗客乗員合わせて379人が全員無事だった日航機事故であります。
 海外ニュースでは、奇跡とまで賞賛されております。

 ニュースによりますと、通常、事故が起きた際は機長から客室乗務員にインターホンを通して指示を出すことになっていたようでありますが、そのインターホンが壊れて客室乗務員に確かな指示が伝わらなかったと報道されておりました。
 にもかかわらず、機長たちを除いた客室乗務員9人の機敏な働きによって全員が脱出できたということであります
 それも、客室乗務員9人の内5人は前年採用ということであり、車の運転免許に喩えると若葉マークの客室乗務員であります。

 私はこの事故から、三つの教訓を得ました。

 一つ目として、
 私たちは、新採用の職員であると一人前とカウントしないところがありますが、今回の5人の客室乗務員はプロ意識を持っていたということです。
 プロとなった以上、経験年数が多い少ないは全く関係ないということを教わりました。

 二つ目として、
 現場では、訓練した以上の結果は出ないと言われております。
 今回、後方担当の客室乗務員は、他の乗務員とも連絡がとれない中、自らの判断で非常用ドアを開けたことが大惨事を免れた大きな要因だとも言われております。
 このことから、客室乗務員というのは、日頃から、いかに厳しい訓練を受けていたかを窺い知ることができます。

 三つ目として、
 機長は、事故発生から18分後、全員脱出したことを確認し最後に事故機から脱出したということです。
 その場のトップは“ラストマン”とも呼ばれ、何か事が起きた際には、最後まで対応しなければならない使命を持つこととなります。

 また、2人以上集まると“組織”と言い、リーダーがいない“組織”を“群れ”と言うそうです。
 2014年、韓国で高校生を乗せたフェリーが沈没し乗客299人の尊い命が奪われましたが、その際、最後まで残らなければならないはずの艦長が最初に脱出してしまいました。
 まさに、韓国のフェリー乗務員は“群れ”であり、対照的に、今回の日航機の乗務員は“組織”でありました。