WEB町長室

叱る効用、功罪

2008年8月7日

叱るとは、いかにむずかしいことであろうか。
役場に入った当初、上司である当時の総務課長に毎日叱られていたものである。
入って間もなくであり、叱られるという経験がなかったせいもあり、毎日落ち込み、また叱った総務課長を憎らしく思ったものであります。
ところが今度は、叱る側の年齢に達したなかで後輩を叱ることができるかどうかと自問するとこれがなかなか難しいものであり、叱られるより、叱る側の難しさを痛切に感じた次第であります。
そのため、当時叱ってくれた先輩を尊敬こそはすれ、恨むことなどできなくなりました。
若い母親がサークル活動で小さな子どもを連れて行きます。
その時、自分の子どもが他のサークルに迷惑をかけているのを見かけたことがありますが、親はまったく知らんふりしておりました。
まったく、何と無責任なことであろうかと思いました。
ただし、人間を育てるうえで叱ると同じくらい、いや、それ以上に効果が期待できるのは、ほめることである。
長年、子供たちに空手を教えていますが、子供たちの中には親の命令でいやいやながらに稽古に来る子どももいます。
そのような子どもは、稽古に身が入らないため当然上達も遅れます。
そのようなときは、指導者がいくらガミガミ注意し叱ってもあまり効果はなく、逆に萎縮します。
そのため、逆にほめることです。
「一寸の虫にも五分の魂」と言いますが、どんな子どもだって自尊心は持っています。
経験上から言いますと、欠点を指摘するよりは長所を刺激した方がのびのび出来て、ぐんぐん上達するものであります。
“人間の育成は、大いに叱り、そして大いにほめよ”であります。