WEB町長室

当たり前のことを

2024年7月1日

 当町の幹部職員が、京セラ会長でありJAL再建に貢献した稲盛和夫氏の経営哲学を学ぼうとする「清和塾」に入会しておりました。

 清和塾は、稲盛氏が亡くなった後の2019年12月をもって閉塾となったそうですが、会員には塾発行の機関誌が送られていました。

 幹部職員も、稲盛氏の経営哲学に心酔していたので、送られてくる機関誌を読んで勉強したそうですが、自分だけ読んでいたんではもったいないと思い、若い職員に「勉強になるから読むように」ということで貸してあげたそうです。

 当然ながら、たいへん勉強になりましたという答えを期待して感想を聞いたところ「期待をしていたが、当たり前のことより言っていない」と言われ、がっかりしたと話しておりました。
 若い職員にすると、稲盛氏の名声を聞いていたので、今まで聞いたこともないような哲学が語られているものと期待していたようですが、あまりにも当たり前のことより語られていないので、拍子抜けしたものと思われます。

 後日、幹部職員からそのことを聞き、私はこう答えました。

 私は、商業ベースでの経営は経験ないが、自治体の経営も同じだと理解している。
要は、当たり前のことをいかに当たり前に続けることができるかどうかでないのかな。
 また、奇策も一時は効果があるかもしれないが、長いスパンでみると、誰もができる当たり前をいかに大切にするかでないのか。

 日常に喩えると、誰かと会ったら「こんにちは」の挨拶。
相手に迷惑をかけたと思ったら「ごめんなさい」の素直な言葉。

 このことは小学生でも知っているが、大人になってもできない人がいるのが現実。

 まさに“知っていてもやらないことは、知らないことと同じである”

 若い職員にすると、稲盛氏の言葉はあまりにも当たり前のことばかりなので、深く読み取ることができなかったと思うよ。