仏教絵画「九相図」
2025年4月28日
お掃除のおばさんからの一言「おたくの社長さんは素晴らしい人だねぇ。今までいろんな会社の掃除をしてきたけど、自分のような末端の者に声をかけてくれる会社のトップなんていなかったよ。しかも、これだけ大きな会社の社長さんがさ」
人間は平等であると学校で習いましたが、私自身もお掃除のおばさんのように、職業や役職で人間の価値や偉さを決めていたことは否めません。
仏教絵画の「九相図」というのを知りました。
「九相図」とは、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく姿を九段階に分けて描いたものです。
死後間もないものに始まり、次第に腐っていき血や肉と化し、獣や鳥に食い荒らされ、九つ目には、ばらばらの白骨ないしは埋葬された姿が描かれています。
平安時代に絶世の美女と言われた“小野小町”を描いたものもあるそうですが、“小野小町”でさえ最後は無残な姿で描かれているそうです。
初めて「九相図」を知ったとき、世の無常を感じるとともに、「偉い」とか「偉くない」とかいう概念は捨てなければと思いました。