脳の意志決定回路を鍛える
2007年4月27日
トップとして一番の仕事は、「決断」することであります。就任当時は、どんな小さな決断でさえも大変勇気のいるものでありました。
ところが、後日その決断をふり返ってみますと、そんなに悩んで決断するようなことでなかったと思うことが何回もありました。
このように、何故、決断前と後に違いがあるのかと不思議に思っておりました。
そこで、この「決断」のメカニズムを調べてみましたら、人間はいろんな体験を積むとその体験が脳に蓄えられ、それを元に意志決定したり判断したりするそうです。
しかし、年をとって経験を積めばみんなが素早い意志決定ができるかというとそうではなく、意志決定する脳の回路を鍛えることが必要であると言われております。
そのためには、他人に決めてもらうのではなく、自分で考えて判断を下すということが大切であり、その積み重ねこそが意志決定に必要だそうです。
良く言われるのは車の運転だそうです。
自分でハンドルを握っているドライバーは道を良く覚えます。
それは、常に道を覚えようとする脳の神経経路が働いているからです。
ところが、いつも助手席に乗っている人は、ほとんど道を覚えていません。
要するに、脳の回路が働いていないのです。
同じ時間、同じ道のりを体験しているにもかかわらず、ドライバーと助手席の人では記憶がまったく違ってきます。
これは、記憶力の差などではなく、意志決定する脳回路を使っているかどうかだと言います。
これで合点がいきました。
このことから、今後、意志決定する脳回路を鍛えるためにも、決断する場面から逃げてはならないと痛感した次第であります。