家族の歴史を紡ぐ事業
2025年10月20日
両親が亡くなり、生前、両親と同居していた家を解体することになりました。自宅を解体をする際には、「絶対に見に行くんでない」と友人に忠告されましたが、その忠告も聞かず解体現場に行きました。
解体は重機で行っていましたが、丁度、解体が台所の部分に差し掛かったとき、そこの台所で、両親、私たち夫婦、そしてまだ小学生の頃の子どもたちと一緒に食卓を囲んで食事をしている光景が、まるで走馬灯のように脳裏に浮かんできました。
その光景では、亡くなったはずの両親と私たちが楽しそうに歓談しておりました。
まるで、両親がまだ生きているような感覚となり、急に懐かしさと悲しさが相まって涙が溢れ出てきました。
友人が忠告した訳がわかりました。
家は、居住するばかりでなく、私たち家族の歴史を紡いできたのであり、家を解体するということは、家族の歴史も封印するということです。
今月より、町内の若い経営者が空き家を活用し、世界的に民泊事業を展開している“エアビーアンドビー”と“JTB”と提携して、民泊事業を開始することになりました。
当初、民泊事業の目的は空き家を使って経済を回すことだけだと思っておりましたが、空き家を解体することなく活用するので、持ち主は、家があることによっていつまでも家族の歴史にふれ合うことができます。
たとえ親がこの世にいなくなっていたとしても、そこへ行くと家族の思い出にふれ合うことができるという側面を持っている事業となります。