WEB町長室

基礎があっての独創性

2007年4月16日

地方分権とは、全国1800市町村が生き残りをかけて、競争時代に突入したことであると思っております。
そのため、どこの町村でも他にない独創的な政策を模索しているのが現状でありますが、独創的なアイデアというものはそう簡単に出てくるものでありません。
私は、独創的なアイデアを出す人というのは特殊なのかと思っておりましたら、脳科学者の茂木健一郎氏が言うにはそうではないようです。
茂木氏曰わく、世間では学校の勉強ができることと、何かを生み出す創造的な才能は別物であるととられがちですが、これは誤解であると言い切っております。
何故かというと、もともと創造性というものはゼロから生まれることはなく、どのような新しいものを生み出す時でも、必ずその元になる体験や知識というものが必要であると言います。
字を知らない人に小説は書けないし、人生経験の少ない5才の子どもに恋愛小説は書けないと言い、その例として、天才作曲家と言われるモーツァルトを引き合いに出しております。
彼は、トルコの軍隊がウィーンを占領した際に軍隊の音楽を聞いて「トルコ行進曲」を作曲しており、天才のモーツァルトでさえも、トルコ軍の音楽を聞くという経験、学習がなければ名曲は生み出せなかったと言います。
やはり創造性というものは自分の体験が基礎になって生まれるもの。
モーツァルトのなかに日本の演歌の曲がないのは、モーツァルトは日本の演歌を聞いたことがないからだと言います。

やはり、独創的なアイデアを出すためには、今以上の知識と情報の蓄積が必要であり、そのような基礎があってこそ、初めてまちづくりのアイデアが浮かんでくるものと痛感した次第であります。