学習効果がもたらす、既成概念という壁
2011年9月20日
学習するということは大変いいことでありますが、逆の効果もあります。学習して得た知識が全部正しいと思い込み、そのことが自らの既成概念となってしまう恐れがあるからです。
野生の象を捕まえてきたらすぐに、どんなに暴れて引っ張っても、ビクともしない太い杭に鎖とともにつないでおくと、最初のうち、象は何度も何度も杭を引き抜こうとしたり、鎖を断ち切り逃げようとするそうです。
しかし、どんなに脱走を試みても自由になれないことを悟ると、象はやがて諦めるようになります。
やがて象は、自分をつなぎ止めている杭がその気になれば簡単に抜けるような小さなものになっても、あるいは、鎖がただの細いロープになっても、もう逃げようとしなくなるそうです。
つまり、象は「あの杭は抜けない」とか「逃げようとしてもムダだ」というイメージに縛られて、鎖の届くところまでしか動かなくなってしまいます。
なぜかというと、象は頭のいい動物だからだそうです。
ところが、これがワニだとすると、最後の最後まで諦めずに鎖から逃れようとするといいます。
結局、頭がいいといわれる人たちも、象と同じく「自分にできるはずがない」「やってもムダだ」と言って、自分自身を縛ってしまう傾向にあるといいます。
まさに、自分自身が創った既成概念という壁を、打ち破ることができないのです。