WEB町長室

1兆円、2兆円の陰には

2022年11月9日

 国の補正予算が発表されました。

 新聞報道によりますと、財務省では当初25兆円を示していたが、たった1日で4兆円増額されたということであります。

 それでも、まだ足りないという意見もあるそうです。

 先日、上ノ国中学校の生徒に講話する機会がありましたので、1兆円という額は1万円札を重ねたらどれくらいの高さになりますかと質問したところ、何十メートル、何百メートル、いや東京タワーの高さ等々の回答がありましたが、結果、正解はありませんでした。

 そこで私が説明します。

 1万円札を百枚重ねると1㎝になりますが、それが100万円の高さです。1,000万円は10倍なので10㎝になります。そうすると、1億円は1メートルになり、1,000億円は1,000メートルになります。

 1兆円だとすると、1000億円の10倍の1万メートルになり、富士山の約3倍の高さになるというと、生徒たちは目を丸くして1兆円の大きさにびっくりするわけです。

 それと対比して、私は町内のサヤエンドウ農家の話をします。

 その農家は、夏場、85歳という年齢ながら、上ノ国町の特産品であるサヤエンドウを集荷するため、毎朝3時頃畑に行き、サヤエンドウを収穫します。

 サヤエンドウは、お昼頃までに出荷しなければなりませんので、朝食の、おにぎりをほおばりながら作業を続けるそうです。

 1キロ入りケースにサヤエンドウ約千枚入りますが、それを1日当たり1人3ケースほど出荷できるそうです。

 当然、時期によって市場価格は変動しますが、価格が低いときは1ケース千円くらいとなり、一枚当たりにするとたったの1円です。

 それでもおじいちゃんは、朝露の中で1円、2円と根気よく収穫します。

 結果、1日3千円の売り上げになりますが、それに手数料や運送料、ケース代等30%位差し引かれますので、手元には2千円チョットより残りませんが、それでも毎日、真剣になって収穫に励むそうです。

 私も予算編成をする側の一人でありますが、新聞等で1兆円、2兆円とまるで豆腐を数えるようなニュースに慣れきってしまいました。

 しかし、1兆円の陰には、サヤエンドウを収穫するおじいちゃんのような人の汗があることを思い浮かべなければと痛感しております。