WEB町長室

人を動かす

2024年6月10日

 中国の戦国時代、呉起という将軍がいた。
 呉起は、軍中においても兵士と同じものを食べ、同じ所に寝て、兵士の中に傷が膿んだ者がいると、膿んだ傷口に自分の口を当て膿を吸い出してやります。

 あるとき、いつも通り呉起が兵士の膿を吸い出してやったところ、それを聞いた母が嘆き悲しみました。

 不思議に思った周囲の者が、兵士の母に尋ねます。
 「将軍がじきじきにあんな事をやって下さっているのに、なぜ泣くのだ?」
 すると母は答えます。
 「あの子の父親は将軍に膿を吸っていただいて、感激して命もいらずと敵に突撃し戦死しました。きっとあの子もそうなるだろうと思い嘆いていたのです」

 「命令」で動かすのではなく、「情」で動かす
 まさに、人心掌握のお手本であります。