美点凝視
2024年8月26日
メンバーの実力を引き出せずにいる人、部下から信頼されない人は、「自分の考えは正しい」という意識を持ちがちで、相手の欠点ばかりに目がいく人であると言われています。逆に、部下がリーダーに求めるものは、本物であること、認めてくれること、胸の高まりを呼び覚ましてくれること、包み込んでくれることだといいます。
このギャップを埋めることは至難の業かも知れませんが、どちらも客観的な推論だとすると、この溝を埋めないことには部下は育たないし、仕事を順調に進めることも困難なことであります。
私の眼から見ても、部下に不満を持つ上司は、必ず部下の欠点ばかりを見ている傾向にあります。
その際、私は欠点でなく長所を見るようアドバイスしますが、残念ながら、私の言葉がその上司に届いているかどうかは判断できませんでした。
経験上、人を育てるには、欠点を指摘するよりも長所を褒めることに効果があります。
褒められた本人も、長所を伸ばすようになり、結果、いつしか欠点は薄れていくものであります。
若い頃、空手を指導する際、欠点ばかり指摘する時期がありました。
ところが、教え子は、注意されることを恐れて私の顔だけを見て練習していることに気づきましたので、指導の仕方を変えました。
欠点よりも、良い点を褒めることに切り替えたのです。
従来「ここが悪いからこう直しなさい」と、
欠点をネガティブ思考で指導していたのを
「ここをこう直すと、もっと上手くなるよ」と、
ポジティブ思考に変えました。
そうすると、生徒は私の顔を見ることなく思いっきり練習に励んでいました。
これを「美点凝視」と言うそうです。