本物は続く。そして続けると本物になる。
2026年10月30日
京都の和菓子店に大急ぎのお客様がやってきた。お客様は、急いで和菓子を注文すると、「時間がない。5時7分の新幹線で東京に帰るんだ。女房に頼まれたんだ。」と、叫ぶように言いながらお菓子の代金を払い、待たせていたタクシーに乗った。
ところが、女子の店員が見ると、買っていただいた和菓子が、そのままショーケースの上に残されていた。
忘れていってしまったのだ。
女子社員は、財布を持つとすぐにお客様を追った。
京都駅に着くと、新幹線の発車のベルが鳴っていたが、飛び乗って、1号車から順にお客様を捜した。
すると、8号車に、そのお客様がおられた。
ビックリしたお客様は、「ありがとう」と、気を動転させるばかりで、どうしてここまでお菓子を届けてくれたのか聞かなかったのである。
女子社員は、名古屋で降りるとすぐに京都に引き返した。
3ヶ月ほどたって、この記事が雑誌「財界」に載った。
お客様が寄稿したのであるが、実はこのことは、和菓子屋の社長も知らなかったそうである。
女子社員は、誰に命じられたわけでもなく、お客様が忘れていった和菓子を、とっさの判断で自主的に、しかも自費で届けたのである。
それは、単に和菓子だけでなく、和菓子に込めた心、つまり哲学を日頃から売っていたからだ。
社長のDNAが、女子社員に見事に伝わっていた証しである。
役場職員も、この女子社員のような行動をとれたらという想いを込めて、若い職員を対象に「町民目線になるには」をテーマに、私が講師役となり月1回のペースで懇談会と称した勉強会を開催しています。
当然ながら職員は、環境が違う中で教育を受けてきた経緯があるので、各々、価値観の違いはありますが、プロとしてベクトルを合わせることは必要です。
「教育というのは、流れる水の上に字を書くように儚いものだ」とは、教育者である森信三氏の名言ですが、それでも書き続けなければ字を書くことはできません。
教育とは、続けることに意義があると今更ながら気づかされますが、本勉強会も、継続することにより必ずやプロ意識が醸成されるものと確信しております。








