WEB町長室

旧「ホテル新定山渓ゆらら」が好調

2011年1月20日

「北海道市町村職員共済組合」直営の温泉保養施設「ホテル新定山渓ゆらら」が、経営難から売却されました。
同ホテルは、1967年に開業し、98年に約30億円をかけて全面改装して運営しておりましたが、ここ数年、毎年1億円を超える赤字が出ていることから売却したということであります。

購入したのは、阿寒に本社のある「鶴雅リゾート」であり、新たな名称は「定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌」となりました。
私は、この景気が悪い時節に赤字のホテルを経営したとしても採算合うわけがないと素人判断しておりましたが、なんと、昨年10月オープン直後から、地元の女性客が押し寄せ満室が続いているそうです。

日産を立て直したカルロス・ゴーン氏が社長に就任したときに、役員たちに「業績不振の原因は何か」と問うた。
すると役員たちは、「政府の経済政策が間違っている」「景気の低迷で消費が萎縮している」などと口々に答えた。
その答えを聞いて、ゴーン氏は次の質問をした。
「では、トヨタやホンダはなぜ売れているのか」と。
すると役員たちは、だれもその質問に答えられなかった。

このように、不振に陥っている企業というものは、得てして原因を誰かの責任にするものであります。
まさに、「他責の文化」であります。
ひょっとすると、毎年1億円の赤字を垂れ流していた「ゆらら」を売却するときも、「景気が低迷している」「もう、定山渓にお客さんを呼ぶ時代ではない」という意見が出されたんではないでしょうか。

「定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌」は、女性客をターゲットとした戦略が功を奏したということでありますが、やはり、成功する会社は成功するような経営をし、失敗する会社は、失敗するような経営をしていたということに尽きると思います。