WEB町長室

人間、窮したときに・・・

2007年8月23日

先の敗戦で、何年もシベリアに抑留され獄中生活を強いられた日本人は相当数おりますが、あまりの過酷さに神経衰弱になる者もたくさんいたそうです。
しかし、誰もがなったわけではなく、神経衰弱になった人たちには共通の特徴があったといいます。
一つ目として、ゴマをする人間であること。
気に入られたい一心で監獄の管理者の方ばかりを見て調子を合わせようとし、結局は相手に振り回されて神経衰弱に陥るそうです。
二つ目としては、家族に会いたい思いが募り、妻子や母親の写真ばかり見ている人。
それは、意識がその一事に支配され、他のことには反応しなくなるそうです。
人間の脳は、外部からの刺激に反応しなくなったら、おしまいだそうです。
家族に会いたい気持ちは誰だって同じですが、監獄の中で海を隔てた日本にいる人間に会えるわけがありませんので、思っても始まらないと開き直ることができるかどうかだといいます。
どんな悪条件下でも、今何をすることが大切なのかを常に考えていた人は、神経衰弱と無関係であったそうです。
人間は、窮した時に人間の価値を計ることができると言います。
平常時では、誰でも立派なことを言えます。
しかし、窮したときに、前向きな発想と冷静な行動を取ることができるかどうかが試されます。
そのためにも、常日頃から人間を磨いておくことが必要であります。