WEB町長室

大いなる失敗の勧め

2006年12月11日

上ノ国町では、ナマコの養殖に挑戦しております。
ナマコは、近年、中国からの需要により相当重宝されてきておりますが、日本での養殖技術は未だ確立されておりません。
そのナマコの養殖、栽培漁業センターで町職員が挑戦しておりますが、私はその職員に「大いに失敗しなさい」と言っております。
彼は、不思議に思って「失敗しても良いんですか?」と確認したわけでありますが・・・。
昔、公務員の評価は減点主義といわれておりました。
何もしなくても百点を持っており、何か大きな失敗でもしない限り百点が減ることはありません。
そのため、敢えてチャレンジして失敗するよりも何もしないでいたほうが安泰であることから、退職の辞は「大過なく過ごすことができた」と言うことになります。
逆に、民間は0点からの出発でありますが、加点主義であります。
何もしないと持ち点は増えませんから、多少のリスクは伴っても敢えてチャレンジします。
ある企業で、社員を昇進させる基準は始末書をたくさん書いた職員にするといいます。
なぜならば、積極的に行動しない職員は始末書とも縁がありません。
始末書の数は行動力の証しだと言っております。
そして、人間は失敗からより学べない。
そのことから、「優秀な社員ほど数多くの失敗体験をさせよ」と言い切っております。
私も、職員時代は失敗の連続であり、当時の町長をハラハラさせたものであります。
しかし、その失敗の経験も今となっては大きな財産となりました。
今や、公務員も持ち点ゼロの時代。
職員には、どんな大きなリスクがあったとしても一歩前に踏み出そうと言い続けております。