WEB町長室

自立プランの達成は各々のフイルターを通して

2006年4月3日

 滝沢小学校の生徒1名が、将来、漁師になりたいと言っているそうであります。
それを知った広部校長先生が、ひやま漁協の市山組合長に、小学校で漁業のことを話して欲しいと頼みました。
今、どこの町村でも農漁業の後継者不足に悩んでいるなかで、チョットした嬉しい話題ではあります。
 さて本町は、平成17年度からまちづくりの指針として自立プランを策定し実行しております。
キャッチフレーズを「農業、漁業で喰えるまち」とし、平成17年から平成21年までの5年間は第1次産業に重点的に力を入れるということにしました。現在の、農漁業生産額合わせて14億円を、5年間で20億円にアップするという数値目標も立てました。今まで頑張っても14億円がやっとなのに、どうして6億円も増やすことができるんだという意見も相当ありましたが、まずは計画を樹立しました。
しかし、ここで問題(不満?)が出ました。
従来の計画は、役場の全セクションがそれぞれの立場で計画を立てておりました。しかし、自立プランでは農漁業に集中して力を入れるということが示されていることから、産業課だけが仕事をして、他のセクションは何もしなくてもいいのかという声が聞こえてきました。
そのようなことから、次のように私の考え方を職員に示しました。
私は、観光係時代、何を見るにも観光というフィルターを通して見ていました。他課の事業等も、観光に活用できないかどうか考えていました。写真は、青いフィルターを通して被写体を写すと全部青色に写ります。自立プランについても、各セクションのフィルターを通して欲しいと思っております。
今回、広部校長先生が偶然にも教育というフィルターを通して漁業後継者のタマゴを育ててくれるような動きをしてくれております。

これを総務課のフィルターを通してみると。
毎月、広報「かみのくに」に農漁業に関する情報等を載せることにより、情報伝達と農漁業者の生産意欲を高めることができます。
住民課では。
農業者は、中腰で仕事をする時間が多いため職業病として腰痛となることから、保健師による農業者に対する腰痛対策を通じて、農業生産に従事する年齢を引き上げることができます。
また、農業従事者が役場窓口に用事があるとします。夏場の日が高い時には、農作業を終えてから役場に来ることが望ましいのですが、5時15分で役場が閉庁することから、途中で農作業を中断して来なければならないことになります。農家にすると、天候の良い時には暗くなるまで作業をしたいものであります。そのため、日が長い5月~8月中旬まで役場窓口を午後7時頃まで開設することができれば、農業生産時間を延長することができることになるのではないでしょうか。
施設課のフィルターでは。
日本海は、磯焼け現象が大きな課題であります。
磯焼けにより海藻が生えないために、ウニやアワビの資源が枯渇して、生産高が年々減少してきております。磯焼けの原因は特定されておりませんが、家庭から排出される化学洗剤も大きな原因の一つといわれております。そのことから、積極的な下水道加入の促進を図り、化学洗剤の海への排出を防止することで、漁業生産を上げる一助となることができます。

雑駁かもしれませんが、このように各々のセクションのフィルターでものを見る習慣をつけることにより、自立プランを達成できると信じております。
まさしく、全員野球です。
ただし、職員各自がプロとしてのフィルターを持っているかどうかが、大きな鍵となります。