謙虚な心で
2006年3月8日
ホンダ創業者である本田宗一郎氏は、若くして社長の座を譲り世間をアッと言わせましたが、その社長交代時の挨拶は有名であります。「半端なもの同士でもお互い認め合い、補い合って仲良くやっていけば、仕事はやっていけるものだ。世の中に完全な人間などいるものではない。自分の足りないもの、できないところをまわりの人に助けてもらうと同時に自分の得意なところは惜しみなく使ってもらうのが、共同組織の良い点で大事なところだ。」
あの一流大学卒を採用しているホンダでさえ、社員に対しこのような意識を持っているのかと思ったわけであります。
組織は、組織形態をどのように変えても活性化しません。
究極的には、人をいかに活かすことができるにかかっていると思っておりますが、昨年、お互いを補完し合うという最大のメリットが期待できるグループ制を導入いたしました。
ところが、やはりお互い相手の不足の部分が目につくことから、ギクシャクしたような雰囲気になってしまっているところも見受けられます。
お互い、相手の短所を探すと数限りありませんが、不思議なことに、私を含めて、自分は長所ばかり持ち合わせていると思っているのが人間であります。
そのため、よけいに相手の短所が目につくものなのでしょうか。
しかし、人間は完成品でありませんので、大切なことは、お互い謙虚になることだと思います。
謙虚になって相手を見ることにより、必ず自分にないものを見出すことができます。
また、そうしないと、お互い不満ばかりの職場になってしまいます。
職員には、「もう一度、謙虚に相手を見て下さい。そうすると、必ず自分にない長所が見えてきます」と訴えています。