2004年の船出にあたって
2004年1月10日
2004年穏やかな元日を迎え、新生上ノ国丸が船出いたしました。今年のお正月は穏やかな日が続きましたが、1月8日には最大瞬間風速35.8mの強風が吹き荒れ、役場車庫の大型シャッター2枚が壊れるというアクシデントもあり、今年1年を占うかのようでありました。
国内を見ると、経済は依然として暗く長いトンネルを抜け出すことができないうえに、イラクへの自衛隊派遣など政治が大揺れに揺れております。
上ノ国町も国と同様、行く手には大きな課題が山積しております。
なかでも一番大きな問題は、町村合併であります。
2月に、乙部町、厚沢部町、江差町、上ノ国町の4町による法定協議会を立ち上げますが、合併するかどうかの最終判断は、遅くとも9月頃になるだろうと予測しております。
合併の是非は、町の存続に関わることであります。
あらゆる情報を町民にお知らせしたうえで町民の意向をくみ取り、議会と協議のうえ最終判断するつもりであります。
平成16年度も、財政的な厳しさは変わりありません。
北海道も、財政再建団体に陥るかもしれないということで必死に頑張っております。
上ノ国町もそのようなことにならないよう、昨年は従来発注していた工事のなかで、町職員ができるものは町職員が行いました。
庁舎の回りの草刈りに始って、役場車庫屋根のペンキ塗り等々・・。
ちなみに、屋根のペンキ塗りも業者に発注すると1、800千円かかるところを、仕事は雑だと思いますがペンキ代105千円ですみました。
また、休日や仕事を終えてからの時間を利用し、町職員が浜のゴミ拾いを何回も行いました。
それは、その節約した予算を有意義に使いたいためです。
平成16年度は、産業と教育に力を入れます。
農業では、「立茎アスパラ」「高設イチゴ」を全面的に推奨します。
乙部町での実績をみると、「高設イチゴ」のハウス栽培で10アールあたり1千万円の収入、経費を差し引いた所得が5百万円を超えております。
漁業では、ウニ養殖のための藻場造成事業を推進し漁業者の経営の安定を図ります。
教育では、昨年から中学、高校が連携した中高一貫教育が始り、成果も上がってきております。
そのようなことから、今年の上ノ国高校への入学希望者も2間口を維持するだけの数であり安心しております。
常日頃言っていることですが、お金だけですばらしい行政が行えるというわけではありません。
バブルの頃、どこの町も競争してお金を使って建物を建てたり各種事業を実施いたしましたが、結果として町が良くなったかというとあまり芳しい結果が出ていません。
どこの町も、過疎が進行し、雇用の場がなくて困っているのが現状です。
事業を遂行するためには勿論お金は必要ですが、やはり、町を良くするんだ、良い町を作るんだという気構えが必要だと確信しております。
私は「自立、自助」を施政方針に掲げ、その一端として町内会の活性化を推進し、町職員を町内会に張り付けする地区担当制を導入しました。
結果として、町民の意識は着実に変わってきております。
ピンチはチャンスです。
今年は、この歩みを大きく伸ばします。