スピーチで気をつけている点
2011年8月16日
町長という職業柄、スピーチをする機会は結構あります。スピーチは、相手に自分の思いを伝え同調してもらうことが大切でありますから、スピーチの重要性は誰よりも感じているつもりであります。
そのため、自分なりに綿密な準備をしたうえでスピーチに臨んでおります。
その際、私が気をつけている点は2点あります。
1点目として、スピーチをするときには絶対に原稿を見ません。
原稿を見ますと、どうしても訴える力が弱まります。
ある本に、ソニー創業者の盛田昭夫氏のコメントがありました。
盛田氏も、常にノー原稿でスピーチをするそうですが、ある時部下が盛田氏に、「盛田氏は、なぜ原稿を読んでスピーチしないのですか?」という趣旨の質問をしたところ、返ってきた答えは、「お前、女を口説くときに原稿を読むか」ということでした。
2点目として、本などで得た言葉は、たとえいい言葉だと思ってもすぐに使いません。
なぜかといいますと、どんなにいい言葉だったとしても所詮は借り物です。
言葉は言霊(ことだま)と言い、自分の心から発する言葉でないと相手側に伝わらないものだと理解しておりますので、いい言葉だと感じたときは、自分のなかで何年も養生させます。
一度養生させた言葉は、スピーチで使ったとしても私の言葉として相手側に伝わるように感じられます。