私の苦い経験談
2010年6月23日
役場職員のプライドについて、私の苦い経験談であります。私は、若い頃より町内の若者と一緒に町づくりに取り組んでいましたので、町民目線の役場職員だと自負しておりました。
30代の頃、初めて札幌のデパートで開催された北海道物産展に参加したときのことです。
出展者である生産者は、お客さんが来場するとはち切れんばかりの声でお客さんに呼びかけます。
まさに、買って欲しいという一念が伝わってきます。
ところが私は、目の前にお客さんが来ても「いらっしゃ~い」という一般的な挨拶よりできないんです。
必ず買っていただくんだという真剣味がないために、次の言葉が出てこないんです。
そして、買っていただいたお客さんに対しても「ありがとうございました」と心から頭を下げることができなかったんです。
考えてみますと、通常、役場の業務は、ああして欲しい、こうして欲しいと町民から頼まれることが多いわけであります。
町民や業者から頭を下げられることは多いですが、自分の方から頭を下げることは滅多にありません。
そのことから、知らず知らずのうちに、「やってやる」という公務員特有のちっぽけなプライドを持ってしまっていたのです。
正直、そのことに気づき愕然としました。
もちろん、そのことに気づいてからは、役場職員というちっぽけなプライドを払拭するために、様々な努力をしました。
行政のプロとして、デパートの売り子に負けないように頑張ったつもりですが、要は、町民目線になれるかどうかがキーワードであります。