負けることの大切さ
2012年9月26日
猛暑の夏も過ぎ、いよいよ“スポーツの秋”到来であります。スポーツの秋にふさわしく各種スポーツ大会が開催され、
職業柄、挨拶をする機会が多いわけでありますが、
最近私は、次のような挨拶をしております。
大会に出場するチームは、
当然のごとく優勝を目指して参加しているわけであります。
しかし、何十、何百チームが出場したとしても、
優勝できるのは1チームよりありませんので、
優勝チーム以外は試合に負けるために出場していることに
なります。
こんなことを言いますと、負けるとわかって出場すること
自体意味のないように思われるかも知れませんが、
負けることが最も大切なことであります。
極論から言いますと、
負けることは勝つことよりも大切です。
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」
とも言われますが、負ける際には、負ける原因があります。
そして、それを教えてくれるのが大会であります。
プロ野球で3割打つとスターでありますが、
その打率3割も7割の失敗があるからこそ達成できるわけ
であります。
まさに、勝利は敗北の上に成り立っていることになり、
その敗北が勝利にたどり着く階段の一つひとつだと考えると、
その大切さが自ずと理解できると思います。
徳川幕府をつくった家康の生涯戦績は、73勝56敗です。
あの徳川家康でさえ、56回も負けております。
しかし、その負けの大切さを知っているからこそ、
「勝つことばかり知って、負くることを知らざれば、
害その身に至る」
との語録も残しておりますが、このことは人生においても
同じであります。