WEB町長室

1歳8ヶ月の子どもに教わる。

2010年3月1日

先日、町内のお通夜に参列した際、導師の説教に感銘を受けましたのでご紹介します。
その導師には、小学3年生の長女、この春小学校に入学する次女、そして1歳8ヶ月の3女と、3人の女の子がいるそうです。
ある日、片言より話せない3女が導師である父親に、未開封のお菓子を持ってきて開封してくれと頼んだそうです。
導師は、開封した箱のなかからお菓子を取り出して3女に与えました。
何個か手渡し、もうこれくらいでいいだろう言ったところ、3女はまだ欲しいとぐずったそうです。
自分の子どもながら、3女は何と欲の深い子どもなんだろうと思いましたが、しかたなくお菓子を与えたそうです。
ところが、お菓子を受け取った3女はそのお菓子を食べませんでした。
同じ部屋にいた、二人の姉と母親にお菓子を持っていったそうです。
つまり、おねだりしたお菓子は自分が食べたいのではなく、姉や母親に食べさせたいためであったということであります。
導師は、その時3女に心の中で手を合わせたと話しておりました。
まさに3女は、自分たちばかりでなく周りも見ていました。
併せて「利他の心」、つまり、仏教が説く他人を思いやる心を持っての行動であったわけであります。
宮本武蔵の著者である吉川英治氏は、「われ以外、みな師なり」という名言を残しておりますが、私も、1歳8ヶ月の3女に教わりました。