WEB町長室

何事にも冷静さが大切

2022年12月30日

 将棋棋士の第一五世名人大山康晴氏の逸話です。

 大山康晴の少年時代、地元にいた2段の先生に将棋を習った。
 大山が先生のところへ行き、将棋盤の前に座る。

 だが、先生は縁台でたばこを吸ってなかなか来てくれない。
 何回か我慢をしたが、結局先生に疑問をぶつけることになる。

 ところが先生の返事はこうだった。
 「将棋は二人で指すものだ。相手が考えているとき、じっと待つことが必要なのだよ。こちらがイライラしては負ける。何の苦痛も抵抗もなく、自然の姿で待てるようにならないといけない。将棋というのは、心の上に築くものだよ。落ち着きが肝心だ」


 私たちは、相手を責めるときやたしなめる際、どうしても声が大きくなりがちです。
 冷静に見てみると、注意する側が明らかに本来の目的を逸脱して、自分の感情に溺れてしまっています。

 当然ながら、相手に恐怖感を与えることはできるかもしれませんが、納得させることはできません。

 そのため、そのような場面に遭遇した際、注意した側には後日こう言います。

 「相手を注意するときは、声を1オクターブ下げなさい」と。