WEB町長室

生きると言うこと

2023年5月8日

 私の母は病院で亡くなりましたが、入院中顔を見に行くと、病気のために歩くことも叶わず、ただベッドの上で天井だけを仰ぎ見ているだけでした。
 少し認知も入っていたように思いますが、ベッドの上での尊厳とは何なのか?
 若い頃は、畑や田んぼを耕して頑張った母だったのにと思うと、悲しくなってしまいます。

 そのときに、母は生きているんでなく、ただ息をしているだけだと思いました。

 振り返って、生きるとは何だと考えてみると、生きるとは、自分の時間を感じることができるかどうかだと定義づけられると思います。
 時間は永遠に続きますが、自分だけの時間として感じることができるかどうかです。

 そして、もしも何かを代償として差し出すことによりあと一年長生きできるとしたら、私は何でも差し出すと思います。
 たとえ、一番大切だと思っているお金でも・・・。

 そう考えてみると、今まで大切だと思っていたお金よりも、時間の方が大切なことになります。

 それなのに、生きるという意義を真剣に考えることなく、ただ、お金よりも大切な自分の時間を無駄に過ごしている自分に腹立たしい気がしておりますが、自分だけに与えられている時間を意識していない人間は、真に生きていることにならないと結論づけられるのではないでしょうか。