いい加減のすすめ
2023年6月22日
琴の弦は、あまり強くしても、あるいは弱すぎてもいい音が出ないものだそうです。まさしく、いい加減でなければならないと言います。
吉川英治の著書「宮本武蔵」のなかで、武蔵と一夜を過ごした花魁は、武蔵があまりにも殺気立っているのを感じます。
武蔵のように心の糸を張りすぎると、見えるものも見えなくなるということを、手に持っている琵琶を断ち割って諭した場面があります。
人間としてのわびさびは、やはり丁度いい心の張り方のなかに出てくるもののようでありますが、その加減は、個人差があるため難しいことであります。