不動の礎石
2024年7月16日
最後の宮大工と言われている西岡常一氏の言葉。「石の重心というのは石の真ん中にあるんやないで。
石が一番太うなってるそこにあるんや。
そやから見た目がいいというて、そこに柱を立てたらどないなる。
そこに建物の力が全部かかるんやで。
それに耐えられるか。
初めはいいやろ。
しかし時間がたったら必ずゆがんでくる。
礎石がゆがんでどうする。
礎石というのは何があっても、そこにそのままあらなならんのや。
たとえ建物が焼けても、礎石というものはそのまま残るんや。」
私たちは、事を為そうとする際、初心を心の基軸としているものである。
ところが、年月を経ることにより初心を忘れがちになり、自分の座標軸を見失ってしまうことが見受けられる。
そこで大切なことは、もう一度原点に立ち返ることであり、原点とは、礎石のように不動のものである。