WEB町長室

私のお祭り

2008年8月11日

江差の姥神祭りは、本日、晴天のもと最高潮を迎えております。
本町も、今月14日には火祭りが実施されるところでありますが、私にとって、お祭りとは何だろうと常に疑問に思っておりました。
何故かと言いますと、私の住んでいた(今は公宅住まいのため、上ノ国地区)向浜地区のお祭りは、どこの地区よりも早い(7月28日・29日)が、山車も出ない「グスペリ祭り」と言われておりました。
何故「グスペリ祭り」と言うかというと、ちょうどこの時期「グーズベリー」が最盛期であります。
そして、私たちが小さい頃、この「グーズベリー」をお祭りで売っていた時期もあり、「グーズベリー」が訛って「グスペリ」となったと聞いております。
しかし、この「グスペリ祭り」という名称、お祭りなのに山車も出ないことから、言われる方にとっては劣等感に苛まれるものでありました。
そのため子どもの頃から、お祭りは自分にとっては無縁のもののように感じておりました。
 そんな私が、仕事の関係とはいえお祭りを主催する側となり、お祭りバカと言われることになるとは予想もしなかったわけでありますが、ある時、江差町職員のAさんと一緒に札幌へ出張する機会がありました。
往復、Aさんの車に同乗させてもらいましたが、途中、Aさんはカーステレオのスイッチを入れました。
何の曲をかけるのかと思っていたら、聞こえてくるのはお祭り囃子でありました。
 私にすると、お祭り囃子は面白くも何ともないので、Aさんに「お祭り囃子のどこがいいの?」と素朴な疑問をぶつけたところ、「お祭り囃子を聞くと体がウキウキするんだ」という答えが帰ってきました。
お祭りの神髄を垣間見た気がいたしました。
 今まで、お祭りとはまったく無縁の私が、火祭り、夷王山祭り等々を手がけてきたところでありましたが、これでいいのかという疑問は常に感じておりました。
何故かと言いますと、私の手がけたお祭りは、義務感とせっぱ詰まった緊迫感のみで実施してきたことから、お祭りの楽しさより苦痛の方が多いものでありました。
 ところが、お祭りも回を重ねるごとに、町民からお祭りを楽しみにしているという声が聞こえてきました。
そうすると、裏方としてお祭りに参加している誇りと満足感が芽生え、他のお祭りと違うニュアンスの楽しみ方をしている自分に気づいたものであります。