平成19年 産業福祉常任委員会

H19.10.31
H19.11. 1
(H19.11.19)
所管調査事務
  ①日本海情報交流館(文珠)に関すること

 日本海情報交流館(文珠)は、平成18年9月より、上ノ国町観光振興公社が指定管理者として管理運営をしており、平成19年度は17,283千円、平成20年度には17,191千円の委託料支出が見込まれております。
指定管理者制度は「多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図ると共に経費の節減等を図る」ことを目的として導入されたものであり、その選定にあたっては、制度の趣旨からいっても、広く公募し、複数の申請者の中からもっとも適切なものを選定することが望ましいとされているところであります。
日本海情報交流館については、町と民間が一緒になって観光振興を図るため、上ノ国町観光振興公社を第三セクターとして設立したという経過があり、レストラン部門を経営する観光振興公社による一体的な運営を前提としてきた経緯があって同公社が指定管理者として選定されております。
上ノ国町観光振興公社の経営状況報告書による、平成18年度決算の状況を見ますと、町からの管理業務委託収入を除く、公社本来業務による売上高は30,304千円、これに対して販売費及び一般管理費の総額は30,371千円となっており、本来業務から捻出されるべき人件費等所要額に相当する額が委託料収入でまかなわれいる実態にあります。
全国的には、第三セクターの経営状況が地方自治体の財政を圧迫している状況も伝えられており、公社設立から16年を経てなお町費支出への依存度が高い経営状況にあるとした場合、主力業務であるレストラン部門の運営について、民間企業の経営感覚を強く意識した運営が求められるものと考えます。
具体的な内容はまだ明らかにされてはおりませんが、町内の生産者が持ち寄った特産品や農水産物を一堂に取りそろえて販売する、物産店の構想も打ち出されているところからも、町財政に依存しない形で日本海情報交流館の管理運営がなされていくような、抜本的改革が強く望まれるところであります。

②国民温泉保養センター及び花沢温泉簡易浴場に関すること

 湯ノ岱国民温泉保養センターは、町内外に愛好者も多く、ゆったりと楽しめる山あいの温泉として親しまれてきておりますが、平成15年度に5万5千人であった入浴者数は、平成17年度以降は4万人を割る状況になっており、入浴客数の減少は、町の財政負担の増加のみならず、湯ノ岱地区の活力の低下にも繋がることが懸念されるところであります。
当委員会では、去る11月19日に湯ノ岱地区の皆様との懇談会を開催し、温泉の活性化に対する地元の皆様の思いを伺ったところでありますが、町外からの入浴者に強く指摘されている町内入浴者の入浴マナーの向上や、宿泊施設の再開、新聞などマスメディアを活用した宣伝の必要性や山菜資源の活用に係る意見など、貴重なご意見を頂戴したところでございます。
集客に結びつく、町と町内会が連携した多彩なイベントの開催や、節度と秩序を保ったうえでの民間による温泉施設を活用した展示会や販売会の開催など、利用者ニーズを意識した現状打開策を洗い出し、その改善に積極的に取り組むことによって湯ノ岱温泉の利用者の確保・増加を図ってゆくことが望まれます。

花沢温泉簡易浴場は平成9年8月に開業して以来、10年を経過し、今後維持管理費や修繕料に多くの費用が必要となる状況も見受けられることから、現行大人200円の入浴料についてもこのままでいいのかなど、町の財政的負担を軽減するための方向付けを検討していくべきものと思われます。

③町有林野の経営に関すること
 「檜内の沢地区町有林の間伐施業の状況について」


 檜内ノ沢地区町有林において、平成15年度、16年度の2カ年で85.88ヘクタールの間伐が実施されております。
対象林分の林齢幅は36年生から50年生で、40年生以上が76パーセントを占めております。
また、対象樹種はスギ・トドマツ・カラマツですが、このうちトドマツが材積比率で85パーセントとなっております。
総体として本数で7,351本、材積で、2,775立方メートルが間伐され、4,604千円が立木売り払い代金として町の収入となっております。
間伐面積が広大であることから、選木・伐倒および集材など、一連の作業効率が高く、高い労働生産性が確保されるとされている、列状間伐の方法で実施されております。
今回の現地調査で確認できた部分は、間伐施業地の一部分でありますが、その限りにおいては、伐期までの育林目標と伐採率、言い換えれば間伐列と残存列を設計上できちんと定められて、事業が実施されたとは言い難いような状況も見受けられたところであります。
今回の施業地は、比較的立木密度が高い林分であり、残存列内の不良木も単木的に伐採するなど、林分全体に間伐効果が及ぶような配慮が必要でありましたが、逆に残存列の優勢木が伐採されているなど、誤解を招きかねない状況も見受けられたところであります。
利用価値のある大径木を中心に伐採する、上層間伐の手法も知られているところですが、いずれにしても、間伐前の1ヘクタールあたり立木本数、蓄積を調査・把握し、目標とする伐期到来時点の密度管理の方針を定め、伐採率を決定したうえで事業を実施するのが基本であることを踏まえ、今後、このような事業を実施するにあたっては、町有林が長い時間と経費をかけて育林されてきた大切な町民財産であることに充分留意して事業が実施されるよう、強く望むところであります。

④施設課が所管する「国・道等の事業に係る協議調整に関すること
 「海岸事業の進捗状況」

 海岸事業の推進など、国・道 等の事業に関することについて、担当課長の説明を受けながら、木ノ子海岸事業、扇石海岸事業など、消波工のかさ上げ、及び改良を要望している現地を視察したところでありますが、地域住民が安心して暮らしていくことができるように、事業計画の要望と、早期着工、早期完成の事業推進を関係機関に引き続き強く働きかけていくことが望まれます。

⑤閉会中の継続調査申出事項

 調査項目~「介護保険に関すること」
 
     
H19.7.24
所管事務調査
  ①農業農村整備に関すること
 「天の川中央地区中山間地域総合整備事業について」


 天の川中央地区中山間地域総合整備事業によるほ場整備事業は、農作業の効率化と輪作体系の確立を目的として、平成19年度から平成23年度までの5カ年間で町内5地域(木ノ子、新村、中須田、北村、豊田)、8地区(中須田1~4区)において98ヘクタールのほ場整備を実施しようとするもので、これに関係する地権者総数は現段階で112名となっておりますが、整備後の実質的な耕作者数は58戸ほどになるものと見込まれております。
総事業費は8億円で、これに要する町費負担額は6千万円、農家負担額も同額見込まれております。
初年度の平成19年度は調査設計、最終年度の平成23年度は確定測量と換地に充てられることから、工事は平成20年度から平成22年度までの3カ年で完了するものとし、全体的土量配分も考慮しての工区設定が予定されております。
公共事業の縮減が続き、町内の建設事業者の受注事業量の減少により、本町地域経済が低迷している現状を考えますと、工区設定や発注工種の組み合わせなどを工夫、検討され、町内業者にも入札参加機会が与えられるような事業計画と事業の推進体制となることが切望されるところであります。
整備後の全体の作付け計画については、水稲が6割、残る4割は大豆と予想されておりますが、水稲については、すでに整備を終えている河北地区やハンノキ地区とも合わせた水田対策や、品目横断的経営安定対策に配慮した集約が望まれるところでありますし、町としてどの品目をとりまとめ、振興を図っていくのかということについても充分に検討、協議をされていくことが望まれます。
また、4割ほどが大豆中心の作付けが予想されるということから、輪作体系に組み入れる新たな作物の導入についても、農業者との話し合いを詰めていきながら町としての方針をもって事業を進めていく必要があります。
さらに、平成18年度の計画樹立時点で105.8ヘクタール、119名の地権者でスタートしたところ、不参加農家の出現によって本年度で既に7.6ヘクタールほど減少していることから、今後の事業進捗に伴って更に減少してゆくといったことがないよう、しっかりとした事業推進が望まれます。

②栽培漁業の推進に関すること
 「沖合アワビ養殖試験事業について」


 本町では、海洋牧場や栽培漁業総合センター等を整備し、つくり育てる漁業の推進に努めてきているところですが、前浜沖合でのアワビ養殖を振興することによる、漁業者の所得の向上と安定した経営を図ることを目的として、昨年から沖合アワビ養殖試験事業が行われております。
町内、羽根差の沖合に、アワビ養殖施設を設置し、施設の耐久性、冬期間の波浪による影響、作業性の把握と効率性、成育及び生残状況、そして適正な収容密度の把握といった調査項目を設定し、ひやま漁協上ノ国支所が事業主体となり、事業費2,205,000円をかけて試験事業として養殖しております。
平成18年6月30日に2,060個のアワビを投入し、本年6月11日までの生残率は94.3パーセントと報告され、成育及び生残状況について良好な結果を得ているところではありますが、大型種苗投入による調査で、幾分結果に対して優位な試験となっており、これを50ミリ、56ミリ、あるいは60ミリと、段階的な大きさの種苗によって調査をされたならば、今後の沖合アワビ養殖事業の参考となる、より正確なデータを得られたものと思われます。
更に、今回の調査項目には、製品として販売されるアワビの品質に関与する調査項目はなかったわけですが、天然餌料・昆布を与えたアワビの品質はまさに天然アワビに近い身の締まった良いものとなることが知られているところであり、栄養価の高い配合餌料を投与して実施された今回の試験養殖に加え、そうした餌料の投与方法の違いによる調査も必要であったと思われることから、ブランド品として生産・販売していくという視点に立った調査項目も取り入れ、更に継続してデータ収集に取り組むべきものと思われます。

 「ナマコ種苗生産中間育成試験事業について」

 近年、中国におけるナマコの需要の高まりと価格の高騰を受けて、昨年からひやま漁協の委託による、ナマコの中間育成試験が行われておりますが、浮遊幼生50万を受け入れて最終的には0.5パーセントの生残率と、まだまだ今後の試験・研究にゆだねられる課題が山積している段階にあります。
こうした状況の中で、上ノ国町全体で昨年は15トンほど、今年度は現段階で17トンほどが漁獲されているとのことでありますが、ナマコの生態が未だ充分に解明されていない状況の中で、潜水による漁獲が無制限に続けらますと、資源の枯渇が憂慮されることとなるため、資源量の徹底した調査のもと、資源の継続的な確保、維持をしていく体制が必要であります。

③閉会中の継続調査申出事項

 町有林野の経営に関すること
 日本海情報交流館(文珠)に関すること
 国民温泉保養センター、健康増進センター及び花沢温泉簡易浴場に関すること
 国・道等の事業に係る協議調整に関すること
     
H19.2.13
付託案件審査
  ①平成18年第4回定例会上程の請願第2号
   「八艘沢原始河川」災害防止対策に関する請願


請願の趣旨は、昨年11月9日の集中豪雨によって崩壊箇所が発生した普通河川ハッソウ沢川について、応急対策の実施と全面的整備を求めるものであり、地域住民の生命・財産と安心できる暮らしを確保することの重要性から、願意を妥当と認め、採択すべきものと決定した。
また、採択した請願については、処理の経過及び結果の報告を請求する旨を付記して、町長に送付することが適当なものと決定した。

②平成18年第4回定例会上程の請願第3号
  医師・看護師の大幅増員・確保対策強化について意見書採択を求める請願


 請願の趣旨は、医療事故をなくし、安全で行き届いた医療と看護を実現するため、医師・看護師の大幅増員・確保対策強化について、地方自治法第99条に基づく意見書の提出を求めるものである。
 地域医療を維持・存続させてゆくためには、医師や看護師の確保が不可欠であるが、医師や看護師の不足から医療現場は過酷な職場環境となっており、このことがまた、医師・看護師の不足を招くといった悪循環を招き、医師・看護師の不足が原因による医療施設や診療科目の閉鎖など、医療情勢は深刻な情況になってきている。
 医療現場の労働環境が改善されなければ地方の医療環境の崩壊をとどめることができず、地域住民が安心して医療と看護を受けることが困難となることから、願意を妥当と認め、採択すべきものと決定した。
 なお、この決定により、地方自治法第109条第7項、及び上ノ国町議会会議規則第14条第2項の規定に基づき、産業福祉常任委員会が平成19年第1回上ノ国町議会定例会に議案を提出することと決定した。

③平成18年第4回定例会上程の請願第4号
  リハビリテーションの改善について意見書採択を求める請願


 請願の趣旨は、厚生労働省による診療報酬改定により、これまで社会的に貢献されてきた維持期リハビリテーションが制限されたことについて、地方自治法第99条に基づき、この改善をもとめる意見書の提出を求めるものである。
 診療報酬の改定により、保険診療で受けられるリハビリテーションの疾病領域が制限され、また算定日数上限が設定されたことにより、リハビリの継続が困難な事例も生じるなど、深刻な事態も生じてきており、地域住民が安心して医療を受け、リハビリを必要とする患者が身近で療養の継続ができるように改善することを求める願意を妥当と認め、採択すべきものと決定した。
 なお、この決定により、地方自治法第109条第7項、及び上ノ国町議会会議規則第14条第2項の規定に基づき、産業福祉常任委員会が平成19年第1回上ノ国議会定例会に議案を提出することと決定した。

問い合わせ先

議会
電話:0139-55-2311 ( 内線 310 )